KDDIは7月28日、夏モデルの第2弾となるシニア向けの新製品2機種を発表した。使いやすさを追求したシャープ製スマートフォン「BASIO2 SHV36」を8月5日に、高品質通話VoLTEにシリーズで初めて対応した京セラ製フィーチャーフォン「かんたんケータイ KYF32」を7月30日に発売する。同社は5月末に夏モデルとして7機種を発表していた。
同日には、ゲストとして俳優の杉良太郎さん、タレントの眞鍋かおりさんが登場。日頃はフィーチャーフォンの基本機能しか利用しないという杉さんは、初めてのスマートフォン体験を楽しみ、インカメラを使った眞鍋さんとの自撮りなどにも挑戦。「もう前(フィーチャーフォン)のには戻れないね」と喜びを語っていた。
BASIO2では、スマートフォンには興味があるけれど、カメラ撮影や文字入力などが難しそうと感じているシニア層のニーズに対応。背面のスライドカバーを開くだけでカメラが起動する「カメラスライドカバー」や、大きくて分かりやすい「専用シャッターボタン」、スマートフォンならではの文字入力に慣れるまでの操作のヒントを画面上に表示してくれる「文字入力アシスト機能」などを搭載した。
また、音声着信やメール受信を光って通知する「電話・メール専用ボタン」や、見たい場所を大きく表示する「拡大鏡機能」、文字サイズを簡単に変更できる「文字サイズボタン」を搭載した。さらに、1日に1回、あらかじめ設定したメールアドレスに自動でメールを送信する「おはようメール」にも対応しているため、遠くにいる家族にさりげなく「おはよう」を伝えられるとしている。
また、Google Playに対応しており、「LINE」や「Pokemon GO」などのアプリも利用できる。本体サイズは幅約71mm、高さ約143mm、厚さ約9.3mmで、重量は約150g。OSはAndroid 6.0、約16GバイトのROM、約2GバイトのRAMを搭載。電池容量は2810mAhとなっている。
端末購入者や「au スマートサポート」への加入者には、専任の訪問員が自宅に行き、スマートフォンの契約手続きや、使い方のレッスンなどをしてくれる「ご自宅訪問契約」を提供。また、店頭でBASIOを購入し、かつau スマートサポートに加入したユーザーには、「スマホ訪問サポート(60分コース/初期設定・基本操作)」を1回無料(通常は税別8500円)で提供する。
かんたんケータイは、シンプルな携帯電話がいいという顧客の声に応え、4年ぶりにリニューアル。使いたい機能をすぐに見つけられるように大きな文字で分かりやすいメニュー構成となっている。また、シリーズ最大の3.4インチ液晶を搭載し、高精細化したことで、写真や画面の文字も大きく綺麗に表示できる。さらによく使う連絡先を3つまで登録でき、すぐに電話できるハードキーや、スライド式電源スイッチなども搭載した。
画面のコントラストを上げて、白内障の人でも見やすいディスプレイを採用。また、指で触れた時に形がはっきり分かりやすいフラットキーを搭載したことで、キー入力がしやすくなった。カメラはシリーズ最大の約800万画素と「手ぶれ補正機能」を搭載。撮影時に指にレンズがかかると注意画面を表示してくれる「指がかりアラート」も搭載した。
高速データ通信の4G LTEに対応しているため、大容量データのメール受信もストレスなく楽しめる。耐衝撃や、防水、防じんにも対応しており、より安心して利用できるようになった。本体サイズは幅約51mm、高さ約116mm、厚さ約18.1mmで、重量は約137g。電池容量は1410mAhとなっている。
なお、かんたんケータイはLINEには対応していない。その理由について同社は、かんたんケータイを利用するシニア層は、通話やメールなどの基本機能を中心に使いたいと考えているためだと説明した。
同社は「この夏auは『大きく、変わります』」というスローガンを打ち出し、顧客体験価値の向上を目標に掲げている。同日の記者発表会で登壇した、KDDI 執行役員 コンシューマ営業本部長 兼 コンシューママーケティング本部長の菅隆志氏は、「これまでは顧客に『問題ない水準』の体験価値を提供してきたが、いま目指しているのは『感動水準』の創出だ」と語る。
今回、シニア向けにフォーカスした理由については、人口の4人に1人が65歳以上になっている日本において、まだまだ携帯電話を使いこなせていない人が多い現状があると説明する。実際、専任アドバイザーが24時間電話サポートをしてくれたり訪問サポートしたりしてくれる「au スマートサポート」は、特にプロモーションを実施することなく、約3年で3万6000人まで会員が増加しているという。また、そのうちの5割以上が50代以上の顧客だとした。
菅氏は、所有する端末によって変化するコミュニケーション頻度についても言及。親がフィーチャーフォンやスマートフォンを持っていない場合の子どもとの連絡頻度は4割が「半年に1回」だったが、親がスマートフォンを持っている場合、4割が「週に1回以上」連絡しているとするデータを紹介し、すべての「顧客にコミュニケーションの喜びを伝えたい」と語った。
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