LINEは7月27日、2016年12月期第2四半期(1〜6月)の業績を発表した。売上高は前年同期比19.8%増の673億1000万円、営業利益は前年同期9億3400万円の赤字となる133億6700万円、純利益は同52億9000万円の赤字となる25億5900万円だった。同社にとって上場後初の決算となる。
LINEのグローバルでの月間アクティブユーザー数(MAU)は2億2000万人。また、特に市場シェアの高い、日本、タイ、台湾、インドネシアの主要4カ国のMAUは、前年同期比21%増の1億5700万人となっている。
各事業の売上げとして、広告事業はLINE広告サービスの売上げが前年同期比で85.9%増と急成長するなどして、全体では同60.1%増の126億円となった。6月からは運用型広告「LINE Ads Platform」の本格提供も開始。主にゲームやコスメ系の顧客から引き合いがあるという。
スタンプや着せ替えなどのコミュニケーションサービス事業の売上げは、前年同期比13.1%の74億円で、前四半期からは4.0%減となった。同社は新サービスとして、6月2日に「ポップアップスタンプ」を、6月21日に「クリエイターズアニメーションスタンプ」を公開している。
ゲームや音楽などのコンテンツ事業は、LINE GAMEの新規タイトルのリリースを延期したことなどが影響し、前年同期比8.2%減の114億円となった。現在、各タイトルの完成度を高めており下半期に数本をリリースしたいとしている。
7月22日に日本でも公開された位置情報ゲーム「Pokemon GO」が社会現象と言えるほどの大ヒットを記録している。この動きが、「ディズニーツムツム」などの同社タイトルに影響を与えているかという質問に対し、LINE代表取締役社長の出澤剛氏は、MAUなどの数字には変化は見られないことから、現状は影響を受けていないと説明。ただし、ユーザーの動きは注視していくとした。
また、可処分時間の奪い合いという観点でも、Pokemon GOは屋外で遊ぶゲームであるため、オンラインコンテンツよりも、むしろオフラインに費やす時間を奪うものではないかという見方を示す。基本的に位置情報ゲームは歩かなければプレイできないため、引き続き屋内や電車内などでは、LINE GAMEのタイトルが遊ばれると考えているようだ。
なお同社は、福岡に保有する土地を九州旅客鉄道へ50億5000万円で売却しており、24億6000万円の売却益を計上している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス