個人向けのダイエット家庭教師サービス「FiNC」などを提供するFiNCは7月26日、ウェアラブルバンドを販売する米Fitbitと提携したことを発表した。FitbitのウェアラブルデバイスとFiNCサービスを組み合わせたウェルネスパッケージを、8月1日から提供する予定だ。既存顧客の追加費用は無料。
FiNCはこれまで、法人向けの健康管理サービス「FiNC プラス」や、企業の人事・労務向けの健康データ分析マネジメントツール「FiNC インサイト」などを通じて、従業員の心身の健康状態や身体データなどを収集・分析し、個々に最適な生活習慣改善ソリューションを提供してきた。
今回の提携によって、いままで手動で入力していた睡眠時間や歩数などのライフログは、ユーザーの同意を得た上でFitbitの公開APIを経由し、自動的にFiNCアプリに転送されるようになる。また、新たに心拍データを自動取得できるようになるため、FiNCのユーザーは手間をかけずに、より高精度な健康状態をアプリで確認できるようになるという。
同日の記者会見で登壇したFiNC代表取締役社長の溝口勇児氏は、「無意識でも健康になれる時代を作りたい。ウェアラブルデバイスを身につけることでストレスなくデータがたまり、そのデータをもとにAIがソリューションを提供する。なかなか正しい運動習慣を継続できなかった人に対してもサービスを届けたい」と、提携への思いを語った。
Fitbit副社長でアジアパシフィック責任者のSteve Morley氏によれば、Fitbitの端末は世界5万5000店舗で、累計4000万台以上が販売されているという。また、同社も企業向け健康増進プログラム「Fitbit Wellness」を展開しており、2015年には1000社の顧客を獲得していると説明。こうした実績やノウハウをFiNCとの取り組みにも生かしたいと語った。
連携するFitbit端末は「Fitbit Blaze」「Fitbit Charge HR」。連携するサービスは、「FiNC プラス」「FiNC ダイエット家庭教師」「FiNC ウェルネス家庭教師」「ボディデザインプログラム」。OSは、iOSとAndroidに対応する。
さらにFiNCは同日、特定非営利活動法人 TABLE FOR TWO(TFT)とともに、開発途上国支援プログラム「ONE POUND SAVES ONE CHILD」を開始した。
FiNC プラスを導入している企業では、導入開始から2カ間に渡る従業員の体重の増減分を「One pound(約450g)=約20円」として換算し、開発途上国の給食支援プログラムに寄付する。寄付金はFiNCが全額支払うという。
TFTの張一華氏は、これまでに8年間で約2万5000人に対して約4000万食を寄付してきたと説明。「世界で20億人が食べ過ぎによる生活習慣病で苦しんでいる中、10億人は食糧不足で飢餓になっている。この不均衡を正したい」と訴えた。また溝口氏も、ユーザーの生活習慣改善と社会貢献をうまく組み合わせた、新たな概念のプログラムを提供したいと展望を語った。
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