たとえば、Snapchatのニュース部門は元CNN政治部記者が率いており、ユーザーの投稿を「Live Story」コレクションにまとめている。Live Storyは、大統領選挙戦や、フロリダ州オーランドの銃乱射事件といったニュースイベントが中心だ。Facebookにはこれに相当する部分がない、とNorth氏は指摘する。
Facebookは、Reynoldsさんの動画を削除することになった障害について、詳細な説明を拒んだ。編集上の判断はどう適用しているのかという質問に対して、同社の広報担当者は、生々しく暴力的なコンテンツに関するコミュニティー規定を示した。広報担当者によると、Facebookは暴力的な投稿を積極的に監視しているわけではないという。むしろ、ユーザーからのコンテンツの報告に依存している。報告されたコンテンツは、Facebookのポリシーについて訓練を受けたスタッフがレビューし、他の点ではFacebookの基準を満たしているショッキングなコンテンツに警告画面を追加するかどうか判定する。
Facebookのガイドラインは、同社がコンテンツの判定に責任を持つと示唆している。「加虐嗜好を満たす目的、または暴力を賞讃し美化する目的でシェアされているコンテンツは削除される」(Facebookコミュニティー規定)
このガイドラインは、公共の利益になるコンテンツを明示的に保護するものではなく、体験を共有し、意識を高めるための場としてFacebookを定義している。人権侵害やテロ行為といった暴力の描写は、それを糾弾する手段として共有できると述べられている。
Facebookは7月8日、コミュニティー規定をFacebook Liveにどう適用するかを説明した。それによると、報告された動画をレビューするために、24時間365日態勢のチームを設けているという。同社はまた、コミュニティー規定がどのように機能するかの例も示した。
「特に取り扱いが難しいのは、現実の世界で起きている事件の暴力的な画像や生々しい画像が共有される場合だ」とFacebookは述べる。「そのような場合は、文脈と程度がすべてだ。たとえば、ある人が銃撃を目撃し、Facebook Liveを使って注意を喚起したり、犯人を見つけようとしたりするのであれば、それは許容される。一方、同じ動画を共有したとしても、被害者を侮辱したり銃撃を賛美したりする内容であれば、削除の対象となる」(Facebook)
ソーシャルメディアにおけるライブ動画の登場は、1960年代のテレビニュースの変化に匹敵する。米国人はこのとき初めて、ベトナムで戦っている兵士たちや、路上での暴動のリアルな映像を自宅で目にするようになった。そうした映像が当時、戦争の恐ろしさや人種間の対立について理解を促したように、先週の動画は米国での人種をめぐる暴力的な緊張を描き出した。Facebookは今、それを空前の規模で世界中のユーザーに向けてライブストリーミングしている。
Facebookの共同創業者であり最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は、Castileさんの事件のようなニュースを広める場を提供することの必要性を、これまでも明言してきた。
「Diamondさんが流したような動画を二度と見ることがないよう祈っているが、もっとオープンでつながった世界を作るために団結することがなぜこれほど重要か、そしてその道がまだどれほど遠いか、ということを改めて痛感させられる」。Zuckerberg氏は7日午後のFacebookへの投稿でこう語った。
オープン性への取り組みが自社の編集規定にまで及ぶのかどうか、Facebookはいずれその決断を迫られることになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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