アップル、「Health」アプリで臓器提供を推進へ--「iOS 10」で新オプション導入

Lance Whitney (Special to CNET News) 翻訳校正: 編集部2016年07月06日 09時21分

 Appleは、臓器提供の意思登録を簡単にしようとしている。

 同社は米国時間7月5日、ユーザーが臓器提供を登録するための新しいオプションが「iOS 10」の一環として提供予定のアップデートされた「Health」アプリに追加される予定だと述べた。ユーザーの医療および健康情報の管理に既に使用されている同アプリの「Medical ID」機能に臓器、眼球、組織のドナーとして登録する機能が追加される。「iPhone」や「iPad」によって送信された登録内容は、Donate Life America管理下の組織であるNational Donate Life Registryに転送される。

 2014年の「iOS 8」で導入されたHealthアプリは、ユーザー自身の健康と運動を記録するためのものだが、日々の統計値を追跡するだけにとどまらない機能を備えている。幅広いデータを保持するため、同アプリの使用には時間がかかる可能性がある。すばやく簡単に使用できる機能の追加は、複雑になりすぎることなく同アプリの有用性を拡大できることを示している。

 Healthアプリの登録ボタンをタップするだけで臓器ドナーとして登録することができると、Associated Press(AP)は説明している。これによって、端末がロックされている場合でも表示可能な「緊急情報」画面に、ドナーとしてのステータスが追加される。別のボタンをタップすると、臓器提供に関する情報が表示される。

 Appleによると、現在移植を待つ米国人は12万人を超えており、新しい患者が10分に1人、その待機リストに追加されるという。臓器の需要はその供給をはるかに上回っており、移植を待つ患者が米国において1時間に1人亡くなると、Donate Life Americaのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるDavid Fleming氏は述べた。1人のドナーによって最大8つの命が救われる可能性があるとFleming氏は付け加えた。

 この新機能は現在、iOS 10のデベロッパー向けベータ版で提供されているが、同iOSのパブリックベータ版が提供開始されればさらに広い範囲に提供されることになる。iOS 10は2016年秋に、Appleのすべての携帯端末を対象にリリースされる予定である。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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