Appleが、1994年の動画をめぐり、中国のSARFT(国家新聞出版広電総局)傘下の部門に提訴されたとAPが報じている。SARFT傘下のMovie Satellite Channel Program Production Centreは、その動画に対する独占的なオンライン権を保有しているとし、Appleがその動画を配信したことで「多大な経済的損失」を被ったと主張している。
問題の動画はAppleが直接配信したのではなく、App Storeで提供されているアプリ「Youku HD」で配信された。
Appleと、Youkuの親会社であるHeyi Information and Technologyの両社が訴えられており、Centreは動画の取り下げと5万人民元(約7500ドル)の賠償を両社に求めているという。
AppleがSARFTと対立するのはこれが初めてではない。SARFTは2016年4月、「iTunes」の「Movies」と「iBooks」のサービスを停止している。これを皮切りに、Appleは中国で次々と問題に見舞われている。5月には、一部の自社製品に「IPHONE」というブランド名を使用する北京を拠点とするアクセサリメーカーとの商標をめぐる訴訟に敗訴し、6月には、「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」がほとんど知られていない中国ブランドのデザインを模倣しているとして訴えられた。
Appleはコメントを控えている。
複数の法的な問題を抱えているにもかかわらず、Appleはこの数カ月間で中国市場に向けた取り組みを一層強化している。最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は5月、中国でUberと競合する配車サービス企業Didi Chuxingに10億ドルを出資したことを発表し、訪中した。また、6月に開催されたWWDC 2016の基調講演では、中国を意識するいくつかの傾向がはっきりと見られた。
中国は、Appleにとって米国に次いで2番目に大きな市場だ。Xiaomi(シャオミ)やHuawei(ファーウェイ)といった企業との競争激化に直面する中、 Appleは中国での取り組みを強化している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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