「iPhone」のデザインを競合製品が模倣していると長い間訴え続けてきたAppleが、今回はそれと同じ仕打ちを受けている。
Shenzhen Bailiというあまり知られていない中国企業が、Appleの「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」は自社製スマートフォン「100C」に見た目が酷似していると訴えている。北京の知的財産規制当局は5月、この訴えを受けて、北京におけるこれら2機種のiPhoneの販売停止を命じたと、The Wall Street Journalが報じた。
この命令に対してAppleが異議を申し立てたため、すべてのiPhoneの販売は継続されている。同社は米国時間6月17日にこれを認めた。
「北京の地方特許裁判所による5月の行政命令に当社が異議を申し立てたため、北京知的財産法院による審議の間、命令は執行保留となっている」と、同社は米CNETに電子メールでコメントした。
Bailiの訴えは、今回の2機種よりも新しく、見た目が似ている「iPhone 6s」や「iPhone 6s Plus」は対象にしていないようだ。
この命令は、ますます重要性を増す中国市場でAppleの前に立ちはだかる、新たな障害だ。同社は2016年春、「iPhone」という商標権をめぐって敗訴したばかりだった。Appleの販売の4分の1を占める中国は、世界最大のスマートフォン市場だ。米国や西欧の多数の消費者が既にiPhoneを所有する中、同国は成長が見込まれる地域でもある。
しかし中国は、外国企業が事業を展開するのが困難な場所だ。Googleは検閲に対する懸念から、何年も前に多数のサービスを中国から撤退させている。中国政府は4月、Appleの「iTunes Movies」と「iBooks」の両サービスを終了に追い込んだ。
中国内での販売は困難だが、同国で大きな勢力を築きたいとするAppleの熱意はくじかれていない。Appleは5月、配車サービスDidi Chuxingに10億ドルを出資した。中国におけるUber最大のライバルである同社への出資は、「中国市場の特定の分野について詳しく学ぶ」機会だと最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏はReutersに語っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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