KDDIは6月29日、毎秒100Gbpsの光波長多重伝送方式を初めて採用した、日米間光海底ケーブル「FASTER」の完成に伴い、6月30日から運用を開始すると発表した。
FASTERは、最新の高品質光ファイバーケーブルとDWDM技術により、世界最大規模の初期設計容量60Tbpsを実現した、日米間を直接結ぶ総延長約9000kmの光海底ケーブルで、2016年度第1四半期の運用開始を予定していた。
Google(米国)、China Mobile International(中国)、China Telecom Global(中国)、Global Transit(マレーシア)、Singtel(シンガポール)と、総建設費約3億米ドル(2014年8月11日時点で約306億円)を投資し、2014年8月11日に共同建設協定を締結した。
今回の運用開始により、スマートフォンやタブレットの浸透、LTE網などの高速無線通信の拡充で増加している日米間のインターネットトラフィック需要に対応する。また、将来的に実現を目指す次世代通信システム「5G(第5世代移動通信)」や4K・8K放送を支える通信インフラとしての役割も期待されているという。
米国オレゴン州と南志摩海底線中継所(三重県志摩市)と千倉第二海底線中継所(千葉県南房総市)の2カ所を結んでおり、オレゴン州をハブに、日本と米国西海岸の主要都市であるロサンゼルス、サンフランシスコ、ポートランド、シアトルへの大容量通信ネットワークが一層拡充される。
さらに日本から、東南アジアやアジア近隣諸国を結ぶ他の光海底ケーブルと接続することで、今後も増加が予想されるアジア~米州間の通信需要に対応し、日本の通信ハブとしての地位向上に貢献するとしている。なお、南志摩海底線中継所と千倉第ニ海底線中継所の2カ所に陸揚げして冗長化することで、災害に強い構成を実現しているという。
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