インドの首都デリーを拠点に「オンラインの便利屋さん」がコンセプトのウェブサービス「LOCCO(ロッコ)」を提供するGRAMMA(グランマ)。同社は、”Light Up Genius (その人の才能に光をあてる)” をモットーにインドの課題解決に取り組んでいる。代表取締役社長の本村拓人氏に、サービスの内容や現地のニーズについて聞いた。
地域の信頼できるサービス業者とユーザーとを、オンラインでマッチングする「オンラインの便利屋さん」です。インドは業者によって、サービスクオリティにばらつきがあります。水まわりの修理工でも、ある業者は時間通りに来て一発で仕事を完了しますが、ある業者は数時間も遅れてきて、かつ出来ないことを安請け合いする。トラブルが発生することも珍しくありません。
そんなインドで、信頼できる業者とのリレーションをどこよりも築いているサービスに育てたい。その結果、ユーザーには「生活の質の向上」を、提携する業者には「サービスの質に見合った収益の向上」を還元したいと考えています。
クオリティのばらつきともう1つ、この事業を始めた背景には、インドにおける情報の非対称性の強さがあります。クオリティの高い業者の価格が相場と変わらなかったり、ときにはクオリティの低い業者よりも安いことさえあります。
そこで我々は、クオリティを担保できる業者に特別に割引料金を用意してもらい、マーケティングを代行しています。ユーザーは業者と直接取り引きするのと同じか、それよりも安い価格でサービスを利用できます。収益源は、ユーザーが支払う料金に含まれる紹介手数料です。
現在の顧客の過半数は日本人を含む外国人。今後は、インド人の中間所得層や富裕層をメインのターゲット層としていきたいと考えています。
これまで彼らは、クオリティの高いサービスを受けた経験があまりないために、「クオリティにばらつきがあるのがインドの"文化"」と甘んじていましたが、この流れは少しずつ変わりつつあります。
品質が高ければ、他の「安かろう悪かろう」な業者より多少料金が高くても、サービスを受けたいと考える人たちが増えてきているのです。
背景には、インターネットの普及により、あらゆるサービスの評価が可視化されつつあることが挙げられます。たとえば、日本でいう「ぐるなび」や「食べログ」のようなレストランレビューサイト「Zomato」の人気が高まっているように。
元来インド人には商人気質が備わっているためか、業者もどこを直せばより良いサービスとなるかが分かると、それに貪欲に取り込む人もたくさんいます。
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