英国のドラッグストアBootsは、IBMとAppleがエンタープライズ分野で結んだ提携の下で開発された小売向けのアプリ「Sales Assist」を導入する最初の企業となる。
IBMのSales Assistは、販売スタッフが「iPad」を使って顧客に製品情報やレビューを見せることができるほか、店内や近くの店舗で特定の製品があるかどうかを探したり、翌日配達の発注をしたりできる。Bootsは、約2300の店舗で利用する合計3700台のiPadでSales Assistアプリを利用する。
Sales AssistはBootsのウェブサイト上にある製品データベースと連携して、追加や代替としておすすめの商品を表示する。ある地域では日焼け止めが売れているのに、別の地域では日焼けしたように見せるクリームが売れているなど、ローカルのトレンドも表示できる。
これまでBootsの店員は各自のタブレットから自社ウェブサイトにアクセスしていたが、ウェブサイトには追加のコンテンツも含まれているため、ナビゲーションに手間取っていた。また内部システムとの接続もなかった。
現在iPadでは決済ができないが、Bootsによると今後機能を拡充していくとのことだ。Bootsのオムニチャネル開発担当ディレクターRobin Phillips氏は、「ロードマップという点では、『どうしてこれができないの?』というようなものについては将来可能にしていくつもりだ」と述べている。
IBMとAppleは2014年7月、エンタープライズアプリの開発とiPad、「iPhone」、「Apple Watch」の販売で提携している。Appleは継続的にエンタープライズ分野を進めており、IBMとの提携は大きなものとなる。iPhoneの販売が振るわず、iPadの販売台数が減少に転じる中、Appleは新しい成長としてエンタープライズ分野に期待している。IBMとの提携は、Appleのハードウェア専門知識とIBMのビジネス向けアプリケーションの統合能力を組み合わせるものだ。
Bootsは、IBMのクラウドプラットフォーム「Bluemix」を利用してSales AssistとBootsのアプリケーションやデータを結びつけている。Bootsのウェブサイトは、「IBM WebSphere Commerce」上で動いている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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