ロシア政府のために働くハッカーらが米民主党全国委員会のコンピュータネットワークに侵入したと、The Washington Postが報じた。記事によると、ハッカーらはメールやチャットの記録にアクセスしたほか、米共和党大統領候補のDonald Trump氏に対する反対候補調査の記録にもアクセスしたという。
ハッカーらは2015年夏からネットワークへの侵入を続けてきたが、委員会がようやく異変に気づいたのはTrump氏に関する調査データが盗まれたときだったと、The Washington Postは伝えている。この調査データの内容は明らかにされていないが、Trump氏にダメージを与えられると民主党が考えていた機密情報が含まれる可能性が高い。したがって、この情報は、2016年11月の大統領選でTrump氏を破るための民主党の選挙戦略を知る手がかりとなるかもしれない。
今回のデータ漏えいは、米政府関連のシステムを狙った一連のハッキング事件における最新の事案だ。これまでに、ホワイトハウスのコンピュータネットワーク、米国務省のシステム、それに米国防総省のネットワークが狙われている。
米CNETは民主党全国委員会に対してコメントを求めたが、回答は得られていない。
駐米ロシア大使館はThe Washington Postに対し、不正侵入について何も知らないと話している。
不正アクセスへの対処を民主党から要請されたサイバーセキュリティ企業CrowdStrikeによると、米民主党全国委員会のケースでは、ロシアの2つのハッキンググループが関与していたという。
CrowdStrikeの最高技術責任者(CTO)Dmitri Alperovitch氏は、この2つの組織がロシア政府の別々の組織に雇われている可能性が高いとブログで述べている。
1つ目の組織(Cozy Bearのコード名を持つ)は、2015年夏からネットワークへの侵入を続けており、2つ目(Fancy Bearのコード名を持つ)は2016年4月から侵入していると、Alperovitch氏は述べる。
Alperovitch氏によると、両グループは互いに独立して動いていたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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