データプライバシーを重んじるAppleの姿勢は、米国時間6月13日に開幕した同社の年次開発者会議WWDC 2016でも揺らぐことはなかった。
「提供するすべての機能において、ユーザーのプライバシーをいかにして保護するかを慎重に検討している」と、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるCraig Federighi氏は、サンフランシスコで開催されているWWDCの基調講演で述べた。
これには、Apple製品上で実行するアプリにおいてデフォルトでエンドツーエンドの暗号化を確実に提供することが含まれると、Federighi氏は述べた。エンドツーエンドの暗号化とは、インターネット上で伝送される場合や、Appleのサーバ上に格納される場合でも、ユーザーのデータを暗号化された状態に保つことを意味するサービスのことである。Appleの前にも、メッセージングアプリを提供するWhatsAppが、この特殊な暗号化の重要性を強調している。WhatsAppは4月に、同社のすべてのメッセージングサービスにおいてこのサービスをデフォルトで提供することにした。
Appleは、確かな根拠に基づいて、プライバシーを深刻に捉えていると主張している。同社は2016年春の大半を、米司法省との法廷での争いに費やした。サンバーナディーノ銃乱射事件の実行犯が使用した「iPhone 5C」のロック解除で米捜査当局に協力するかどうかをめぐる争いである。
Federighi氏は13日、ユーザーによるApple製品の使用方法の分析やユーザー嗜好の学習に、Appleがどのようにして機械学習を適用する計画であるかについても説明した。これには、任意の個人に明らかに関連付けられるユーザー情報を蓄積することのないように、最先端技術とプライバシー対策のバランスを図ることが必要になる。
「Differential Privacy」と呼ばれる技術が「ユーザーデータのプライバシーを維持」しつつ、Appleによるデータのクラウドソーシングと比較を可能にすると、Federighi氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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