「Windows 10」の無償アップグレードは7月29日に終了を迎える。残り50日を切り、日本マイクロソフトはさらなるアップグレード数の増加に向け、Windows 10の最新情報に関する記者説明会を開催した。
日本マイクロソフトでは、Windows 10を体験できるキャラバンカーで6都市を周り、普及に向けたイベントを開催している。6都市で開催し、1万3458人(6月5日時点)が参加したという。アンケートでは、(1)全体的に使いやすくなった(2)起動・再開の速さ(3)スタートメニューの3点が好評で、「ほかの人に勧めたい」と答える人も体験後は大幅に向上するとした。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows&デバイス本部長の三上智子氏は、Windows 10をすすめる理由として、(1)より安心安全なWindows 10(2)つねに最新版(3)使い慣れた操作感のままさらに快適──の3点を挙げた。
無償で提供する理由について、「マイクロソフトも利益を追わなければならない企業だが、Windowsのエコシステムに安全に導くためには『やるべき』という大きな決断をもって1年間無償で提供する結論に至った。Windows 10にアップグレードしてもらうことで、安全なコンピューティング環境を実現したいと心から思っている」と熱く語った。
Windows 7をリリースした2009年と今では大きくセキュリティの脅威が変容していると説明する。日本は言語の問題から比較的攻撃の対象になりにくかったが、インターネットの広がりや高速なインターネット環境を持つ日本は「狙われ放題」という。
以前は自分のスキルを誇示するサイバー攻撃が多かったが、どんどん変化して、今は金銭目的で組織化していると説明した。
マルウェアが厄介なのは、古いPCなど感染しやすいものを踏み台にしてほかのユーザーにも攻撃をしかけることだ。自分のPCの被害だけでなく、乗っ取ることで他のPCを攻撃する可能性がある。
Windowsの脆弱性を利用したマルウェア「Conficker」がまだ攻撃のトップ5に入っているとして「8年前のマルウェアがなぜ第5位に入っているのか。守られていないPCが存在するから」とし、マルウェアを検知するWindows Defenderを実装するWindows 10なら守られた状態にでき、マルウェアなどの脅威に対しても対策ができるとアピールした。
7月29日に予定されているWindows 10の無償アップグレードが終了した後は、無償アップグレードの通知は出てこなくなる。また、アップグレードする場合、市販のパッケージ製品、ダウンロード製品、あるいは企業向けボリュームライセンスの購入が必要になる。なお、パッケージ製品価格は、Windows 10 Homeが1万7600円(税別)で、Windows 10 Proは2万5800円(税別)だ。アップグレード専用製品は提供しない方針。
7月29日以降、アップグレードの延長やパッケージ版のキャンペーンなどはせず、新しいWindows 10搭載デバイスを推進していく方針に切り替えるという。「最もよい経験、最高の経験をしていただくなら、新しいデバイスのほうがいい。その中でキャンペーンやオファリングは検討する」(三上氏)と説明した。
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