理想の「MacBook」を求めて--選択が困難になったアップル製ノートを考える

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2016年05月20日 07時30分

 筆者は多くの決断を下すことが好きではない。だからこそ、これまでAppleのノートブックに魅力を感じてきた。これなのか、それともあれなのか。これか、あれか。目の検査のようなものだ。選択肢は大体2つ。洗練された製品ラインアップ。筆者は適切なツールを選ぶ。ルールも理解している。

 2015年、それが複雑になってしまった。12インチの新しい「MacBook」が登場したからだ。薄型のモデルで、これと比べれば「MacBook Air」はあまり薄くない。あるいは、13インチ「MacBook Pro」はどうか。もっと分厚い。性能は上なのだろうか。

 筆者は2015年夏、ノートブックの購入を検討していたとき、すぐに行き詰まってしまった。超薄型で非常にクールな執筆用ノートブックを持ち歩きたいなら、12インチMacBookを選べばいい。だが、処理能力とポートはあきらめる必要がある。MacBook Proは処理能力もポートもあり、スクリーンも良いが、大きくて重い。消去法で残るのはMacBook Airだが、魅力的な「Retina」ディスプレイが搭載されていない。

筆者は結局、この2モデルのどちらも選ばなかった。
筆者は結局、この2モデルのどちらも選ばなかった。
提供:Sarah Tew/CNET

 何カ月も悩んだ。さまざまな製品をレビューする編集者だというのに、どれを買うか決められなかった。どうすればいいのか他の人にも聞いてみた。筆者はおそらくばかげた理由で、12インチMacBookが欲しいと思っていた。予算面と実用面で理にかなっていたのはMacBook Airだ。MacBook Proは、他のモデルより少しだけ長く使えそうに思えた。筆者が新しいノートブックを買うのは、6年に1回程度のことだ。

 筆者はコーヒーを飲みながら、友人に相談するようになった。家族にも相談した。妻にも聞いてみた。結果は最悪だった。誰もこの件に関して、助言しようとしてくれなかった。なぜそんな相談をしているのか誰も理解してくれない。まるでレビュー担当者である自分が中年の危機に苦しんでいるかのように思えた。

 最高の製品はどれなのか。どのモデルを買えばいいのか。

 (筆者の記事を長年読んでくれている人の中には、このばかげた状況を楽しんでいる人がいるはずだ)

同じような選択肢、異なる欠点

 筆者は自分が悪いと思う。だが、現行のMacBookラインアップも悪い。簡単に決められないからだ。簡単どころではない。米CNETで長年ノートブックをレビューしてきたDan Ackerman記者が、13インチMacBook Proを買うよう薦めてくれたので、それに従った。筆者はこのモデルを気に入っている。しかし、Ackerman記者は12インチMacBookが好きになってしまったことを認めている。筆者は未だにうらやましくなる。だが、買わなくてよかった。そう思う。一方、筆者の家族は全員MacBook Airを使っており、選択肢となるMacBookは他にもあると言っても、その意味を理解すらしてくれない。

 これらのMacBookは、過渡期にあるように感じられる。さなぎから這い出る蝶のようだ。タッチスクリーン搭載MacBookはまだない。タブレットMacBookもだ。伝統的なMacBookの形状はずっと変わっていない。12インチMacBookは、未来のデバイスへと飛躍的な進歩を遂げたわけではなく、性能ではMacBook Airに劣り、汎用性ではMacBook Proに負けている。Apple製ノートブックの出荷台数が減少したのは当然だ。筆者は自分がどのモデルを欲しいのかさえ分からない。

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