Appleは、「Siri」の利用範囲と有用性をサードパーティー製アプリ開発者とソフトウェア開発キット(SDK)の助けを借りて拡大しようと考えていると言われている。最大の疑問は、この動きが「Google Assistant」およびAmazonの「Alexa」といった競合を阻むことができるかということだ。
The Informationは、AppleがSiriをサードパーティー製アプリに開放する予定だと報じた。この動きは、音声作動式「Amazon Echo」対応デバイスを開発するための取り組みと同じ流れをくむものとなるようだ。
AppleとGoogleは、AmazonのEchoとAlexaアシスタントの成功に不意を突かれる形となっている。Amazonは、音声作動式のスピーカを投入し、オープンなエコシステムを創出した。そして、Echoは最終的にスマートホームのハブとなった。
Googleは、「Google Home」を同社の開発者会議Google I/Oで披露した。Google Homeは、Google Assistantを利用し、Echoと同じようなハードウェアを装備している。IHS TechnologyのアナリストPaul Erickson氏は、Google Homeについて次のように述べている。
Google HomeとGoogle Assistantは現在、実行可能な機能の多様性という点で、AmazonのバーチャルアシスタントプラットフォームAlexaを搭載するEcho製品ラインほどの能力を持っていない。1月のCES以来、Amazonは、新たに登場しつつあるスマートホームをどう制御するかといった話題において、AppleやGoogleからうまく関心の目を奪っている。この成功の大部分は、同社の他にとらわれない姿勢とオープンなプラットフォームにあり、Alexaに関するさまざまなパートナーや統合が発表されている。パートナーとホビイストの双方から、予期せぬ新たなユースケースや統合が常に生まれている。Alexaに関するAmazonのオープンなプラットフォーム戦略は、強みであり続けるだろう。しかし、Google HomeとGoogle Assistantの発表は、Googleも大がかりな手を打とうとしていることを示している。ただし、その手法は異なるようだ。音声を主体としたGoogleのアプローチは、単一のハードウェアメーカーに直接的に縛られず、モバイルデバイスでのインストールベースで世界最大となっているAndroidプラットフォームで、Google Assistantが最終的にデフォルトで提供されるということにもなる。
AppleについてErickson氏は「Appleがマルチルームオーディオとバーチャルアシスタンスの両方をサポートしている製品をまだ投入していないことは意外だ。Google Homeの登場は、この点でAppleにさらなるプレッシャーを与える」と述べている。
確かにAppleには、Siriや「HomeKit」、さらに「Apple Music」「Beats」といったサービスがあり、これらすべてはスマートホームに関わるものだ。Siri SDKを開放してサードパーティー製アプリで利用可能にするというトレンドに乗るようAppleを促すものが何かはわからない。しかし、Appleの開発者会議は、SiriをAmazonのEchoやAlexa、Google Homeと同様にスマートホームに適した製品にするべく、協力を求めようとする場にもなるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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