通販で購入した商品の受け取りは、どこの国でも悩みの種らしい。外出の多い購入者は楽しみにしている商品をなかなか受け取れないし、宅配業者も再配達コストが重荷だ。日本でも、家庭用の宅配ボックスが使われたり、コンビニ受け取りが利用されたりしている。最近では、鉄道の駅などに宅配受け取りロッカーを設置する取り組みも始まった。
ここでユニークな解決策を思いついたのが、スウェーデンの自動車メーカーVolvo Carsである。同社の乗用車のトランクを宅配ボックスとすることで、Volvoオーナーが再配達を依頼しないで済むようになるアイデア「In-car Delivery」だ。
In-car Deliveryは、Volvo車のオーナーが自分の自動車を商品配送先に指定できるサービス。Volvoがスウェーデンのスタートアップ企業urb-itと提携し、まずストックホルムで試験運用していく。
オンライン通販サイトで商品を購入したVolvoオーナーが自分の自動車を配送先にすると、urb-itの担当者が商品を店舗などでピックアップしてくれる。担当者は位置情報システムで自動車の駐車場所を割り出して商品を運び、1回だけ使えるワンタイムデジタル鍵を使ってトランクを開き、商品を入れる流れだ。
urb-itは「リアルタイム配送サービス」を手がけており、In-car Deliveryでは注文から2時間以内に配達するとしている。もしも2時間を過ぎてしまった場合、送料を無料にするという。
Volvoは、urb-itによるIn-car Deliveryサービスをストックホルム市で試験的に運用する。そして、2016年中に欧州の複数の都市へ拡大し、2025年に世界200都市以上で提供する計画。
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