グリーは4月28日、2016年6月期第3四半期(2015年7月~2016年3月)の連結決算を発表。売上高は542億4500万円(前年同期比で24.2%減)、営業利益は120億2100万円(同25.0%減)、経常利益は110億8800万円(同44.6%減)、純利益は63億6800万円(同25億1000万円の赤字)となり、前年比で減収となった。
四半期ベースでは、売上高は168億1000万円(前四半期比で13億2000万円減)、営業利益は36億4000万円(同3億7000万円減)、経常利益は25億8000万円(同19億4000万円減)、純利益は14億3000万円(同11億1000万円減)となった。減収は続いているものの、営業利益率は21.6%で、20%台を維持している。
主力としているゲーム事業のうち、国内ネイティブゲームのコイン消費額は前四半期から2億コイン減の44億コイン、海外ネイティブゲームは前四半期から5億コイン減の32億コイン、ウェブゲームは前四半期から11億コイン減の147億コインとそれぞれ減少している。
国内では第4四半期に3本をリリース予定。すでに4月25日には「ソウルアームズ」を配信しているが、想定を上回る立ち上がりを見せており、状況を見てマスプロモーション展開を行うか見極めていくという。またWright Flyer Studiosが手がける「追憶の青」と、ポケラボが開発する「激突!クラッシュファイト」がベータテストに向けて調整を行っているという。海外では「League of War: Mercenaries」は3月31日にリリース。こちらも堅調な立ち上がりで、どう広げていくかが直近の取り組みだとしている。
決算説明会の場で話題となったのは2つ。グリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏は、まずゲーム運営に特化した子会社「ファンプレックス」について、想定を大きく上回るペースでの買取や受託が進んでいると説明。またGREEプラットフォームだけではなく、他のプラットフォームからの収益も見込めることから伸びしろがあり、来期(2017年6月期)はコイン消費額が100億規模まで成長すると見込んでいるという。
そして新たに、カスタマーサポートを専門に行う「ExPlay」を4月15日付けで設立したことを発表。田中氏は「ロイヤルユーザーに満足していただけるようなカスタマー対応をすることも重要」と語り、これまでのタイトル運営で得たノウハウを、ゲーム運営のみならずカスタマーサポートでも他社向けに提供していく考えだ。
住まいPF(プラットフォーム)事業では「LIMIA」でマーケットプレイスを開始し、ヘルスケアPF事業では「Lespas」の利用回数が増加。広告メディア事業の成長が見られるなど、ゲーム以外の事業についても堅調に推移していると説明。
VR事業についても触れ、「投資」「開発」「市場新興」の3本柱で展開していくとした。5月10日にはVRコンソーシアムと共同でカンファレンス「Japan VR Summit」を開催予定としているが、チケットがすでに完売するほどの盛況で、高い注目度を感じさせるとともに、事業としての可能性にも期待を寄せていた。
通期の業績については4月21日付けで業績予想の修正を発表しており、売上高は700億円(前回発表時から20億円減)、営業利益は140億円(増減無し)、経常利益は125億円(同15億円減)、純利益は115億円(同35億増)となっている。円高の進行による為替差損の発生で経常利益は悪化する見込みである一方、前期に計上した関係会社株式評価損が税務上認容される見込みとなるため、当初見込んでいた税金費用が減少し、純利益は増加するとしている。
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