プライベートジェットを“Uber感覚”で--27歳が創業した乗り放題アプリ「JetSmarter」 - (page 2)

プライベートジェット販売の主戦場は「中国」

 JetSmarterのような新しく柔軟なサービスが生まれる一方で、富裕層の“買いもの対象”として、プライベートジェットの売れ行きが爆発的に伸びている国がある――。それは、中国だ。今から10年前の中国での販売数はゼロだったが、2017年までに世界の高級航空機の15%以上が同地域に集中すると予想されている。今後は、プライベートジェット販売の主戦場となることが確実視されている状況だ。

 2016年2月に中国の民間調査機関「胡潤研究院」から発表された報告書によると、10億ドル(約1140億円)以上の資産を所有する富豪が住む都市のランキングで、北京が初めてニューヨークを抜き、世界一となった。

 この世界富豪ランキングによると、資産10億ドル以上の富豪の人数は北京が2015年より32人増えて100人でトップ。2位のニューヨークは95人、3位はモスクワの66人、4位は香港の64人、5位は上海とロンドンの50人。東京は26人で15位だった。国・地域別のランキングでは、中国大陸や香港、台湾を合わせた「大中華圏」に568人の富豪が住んでおり、初めて米国の535人を上回った。アジアの富豪の総資産は今後10年以内に米国を追い抜くとみられている。

オーナーの好みにあわせて趣向をこらした内部装飾(ソース:Greenpoint Technologies, Inc.サイト )
オーナーの好みにあわせて趣向をこらした内部装飾(ソース:Greenpoint Technologies, Inc.ウェブサイト

 こうした富豪の急増により消費ブームが促進され、高級マンションや高級車の次に出てくるものとして、プライベートジェット市場が注目されている。航空機メーカー各社は、オーナーの要求にあわせて飛行機を細部まで作りこみ、まるで豪華な邸宅のような内装に仕上げていく。

 オーナーの好みはさまざまで、中華圏のオーナーは“龍”のような縁起のよいモチーフを取り入れることも多いようだ。映画室、大理石製の湯船、ロールスロイスのガレージ、ハイテクキッチンなど、1つ1つがオーナーのためのオーダーメードで作られていく。自分専用のプライベートジェットは、やはり“セレブ”ではないと手が届かない世界と言えるだろう。

 これまで見てきたように、富裕層のためのプライベートジェット・トラベル領域には、インターネットの普及で新たなサービスが生まれている。企業間の競争が価格の引き下げにつながり、手の届く価格帯での魅力的なフライトが生まれてきている。

 ルートの設定から予約まで、すべての工程をアプリ内で完結できる手軽さと、従来に比べるとリーズナブルな値段設定により、今後は少しずつプライベートジェットが身近な存在となっていくのかもしれない。

(編集協力:岡徳之)

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]