欧州連合(EU)の競争当局は現地時間4月20日、「Google Play Store」にアクセスさせる見返りとしてGoogleのアプリをインストールするよう端末メーカーに強要しているとして、Googleのビジネス慣行に対し異議告知書を送付した。
さらにEUは、Googleが同社の検索サービスと「Chrome」ブラウザをプリインストールするようメーカーらに求めたり、オープンソースのコードをベースにした「Android」の競合OSを搭載する端末を販売できないようにしていること、また、(他社のサービスを排除して)Googleの検索サービスだけをプリインストールする端末メーカーや事業者を金銭的に奨励していることも指摘している。
Androidスマートフォンに対するEUの調査は、1年以上前から行われてきた。
欧州委員会(EC)で競争政策担当コミッショナーを務めるMargrethe Vestager氏はGoogleに送付した異議告知書の中で、「Googleの行為はEUの独占禁止規則に違反し、消費者が幅広い選択肢からモバイルアプリとサービスを選択する権利を否定し、他社によるイノベーションを阻止するものだ」と述べた。
Googleは12週間以内に回答しなくてはならない。
今回の異議告知は、欧州におけるGoogleの端末事業に多大な影響を及ぼす可能性がある。同社は端末メーカーに対し、Android搭載端末にプリインストールするアプリをより自由に選択させる権利を与えなければならなくなるかもしれない。
GoogleのAndroidソフトウェアを搭載するスマートフォンには、ブラウザや検索ツール、地図アプリといった特定のGoogleサービスセットがプリインストールされている。EUは異議告知書の中で、同社が端末メーカーらに対し、Google Searchをデフォルトの検索サービスとし、「Chrome」をデフォルトのブラウザとしなければ、Play Storeにアクセスできないようにしている点を懸念材料として特に指摘した。
EUがこれを問題視するのは、欧州のスマート携帯端末の約80%にAndroidが搭載されているためだ。EUによると、その独占的な地位とGoogleのライセンス慣行によって実質的に、ライバル企業の競争力が制限されるという。
Googleは、「Android’s Model of Open Innovation」というタイトルのブログを投稿し、これに反論した。
「Androidは、オープンソースのソフトウェアとオープンなイノベーションに基づく卓越したエコシステム、(そして重要な点として)持続可能なエコシステムの構築を支援してきた」とGoogleの法務責任者Kent Walker氏はブログ投稿で述べた。「欧州委員会に協力して、Androidが競争にとっても消費者にとっても有益であることを実証したいと望んでいる」(Walker氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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