オトバンクは4月14日、東京ミッドタウンにて「第6回オーディオブックアワード」を開催した。
オーディオブックアワードは、同社が運営するオーディオブック配信サービス「FeBe」で配信したコンテンツの中から、支持された作品を会員の投票によって選出し、表彰するもの。
2015年で最も支持されたオーディオブック・オブ・ザ・イヤーには、「世界から猫が消えたなら」(川村元気著)が選ばれた。書籍は120万部を超え、5月から映画の公開も予定。オーディオブック化にあたっては、朗読と主演に声優の小野大輔さんを起用したことでも話題となった。
授賞式では川村氏が登壇。「音の世界は文章と同じようなアドバンテージを持っている。聴いた人が自由にその世界を想像できることが、音の世界の魅力」とコメント。また小野さんの起用については、当時手がけていた映像作品のスタッフなどに相談してまわり、一番多く名前が挙がったのが小野さんだったことが背景にあると明かした。そして「オーディオブックという媒体で最高のパフォーマンスをしていただいた」とも語っていた。
このほか文芸書部門大賞には「天地明察」(冲方丁著)、ビジネス書部門大賞には「嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健著)、企画賞には「小説版 Wake Up, Girls! それぞれの姿」(待田堂子著)がそれぞれ受賞した。
授賞式では著者や関係者が登壇。天地明察の著者である冲方氏は「物語は本来、物を語るもの。オーディオブック化で、これが日本語が持っていた文章なんだと学ばせてもらった」とし、オーディオブックから魅力を感じ、話題となるコンテンツが出てきてもいいのではと語った。また、実は出演者としても名を連ねていることについて「こういう遊びができるのもオーディオブックの面白さ」とコメントした。
嫌われる勇気の著者のひとりである古賀氏は「オーディオブックとして聴かせていただいたときに、一読者として楽しませていただいた。また書籍を購入した上でオーディオブックでおさらいしているという声も聞いた」と語り、魅力あるメディアと語った。
小説版 Wake Up, Girls!の朗読を担当した、声優ユニット「Wake Up, Girls!」のひとりである七瀬佳乃役の青山吉能さんは「オーディオブックの世界は初めて知ったが、ファンのみなさんが身近に感じてもらえるコンテンツだと感じた」とコメントした。
オトバンク代表取締役会長である上田渉氏は、FeBeの会員数が15万人を突破し、右肩上がりで増加している状況や、配信ジャンルの増加により女性を初めとしたユーザー層が拡大。利用シーンも広がっているという。代表取締役社長の久保田裕也氏も今後について、オーディオブックにとどまらず、音声コンテンツとして普段の生活の中で聴いてもらえる環境の提供や、コンテンツ展開を図っていくとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス