LGエレクトロニクス・ジャパンは4月13日、4K解像度の有機ELテレビ「LG OLED TV」に「E6P/C6P/B6P」シリーズを追加した。全機種HDR規格の「ドルビービジョン」に対応する。発売は5月下旬から順次。
有機ELは、自発光素子による有機EL素材を使用したディスプレイ。バックライトを必要としないため、黒の表現力が優れているほか、シンプルな構造でスリム化しやすいことが特長だ。LGエレクトロニクス・ジャパンでは2015年に曲面型の有機ELテレビを日本市場に投入。2年目となる2016年は平面型を新たにリリースすることで、有機ELテレビの認知拡大を狙う。
新モデルとなるE6P/C6P/B6Pシリーズは、全機種にHDR(High Dynamic Range)規格のドルビービジョンを採用した最新モデル。自発光素子を持つ有機ELならではの明暗表現を可能にした。
HDRには「HDR10」などの種類があり、ドルビービジョンはその内の1つ。各シーンの画像を最適化できるほか、テレビそれぞれの性能を認識して最高画質を送出できることが特長で、ハリウッドの大手制作会社が採用する形式としても知られる。一般的なHDR10コンテンツも再生できる、ユニバーサルHDR再生も実現した。
LGエレクトロニクス・ジャパンの代表取締役である李仁奎(イ・インギュ)氏は「HDRにはさまざまなな規格があるが、最高と言われているのがドルビービジョン。これに対応しているのは現在日本で唯一LGのみになる。素晴らしいHDRの映像体験を楽しんでいただけるよう、動画コンテンツを配信するサービスプロバイダと連携して進めていく」と今後の展開について話した。
発表会場にはドルビービジョンを提供するDolby Japanの代表取締役社長である大沢幸弘氏とNetflixの代表取締役社長であるグレッグ・ピーターズ氏が来場。松本氏は「ドルビービジョンは極めて優れた最先端のHDR技術。一般的なものと比べて輝度、コントラスト、色合い、画像のディテールで優れている。LGの有機ELテレビはHDRを表現するのに最適なデバイス」とコメントした。
続いてピーターズ氏も「LGのテレビを購入したユーザーは家に持ち帰って電源を入れた瞬間から素晴らしいHDRコンテンツを見ることができる。Netflixでは、2016年度末までに何百時間にも及ぶHDRコンテンツを提供できるようにする計画。その中にはアニメ『シドニアの騎士』など日本発のコンテンツも含まれる。4K同様に世界最高峰のHDRライブラリを築きたい」とHDRコンテンツについて話した。今回発表されたOLED C6P/E6Pと4K液晶テレビの「UH8500/7500/6500」シリーズは、Netflix推奨テレビ「Netflix Recommended TV」に選ばれている。
E6Pシリーズは55V型の「OLED 55E6P」、65V型「OLED 65E6P」の2モデル、C6Pシリーズは55V型の「OLED 55C6P」、B6Pは55V型の「OLED 55B6P」、65V型の「OLED 55B6P」の3シリーズ5機種を発表。B6Pシリーズについては2016年夏の発売予定としており、詳細は明らかにされなかった。
E6P/C6Pは、いずれも3840×2160ピクセルの有機ELパネルを採用。「4K CINEMA 3D」機能も備え、3D再生も可能だ。地上、BS、110度CSデジタルチューナを2基ずつ搭載し、別売のUSB HDDへの録画にも対応。E6Pはスピーカ4つとウーファ2つ、C6Pはスピーカ2つとウーファ2つを搭載し、harman/kardonとコラボレーションした高音質サウンドを実現したという。
上位機となるE6Pのみ、3mmのガラス製バックカバーの上に、2.57mmの極薄パネルを一体化したデザインを採用。上下左右のフレーム幅はわずか1mmに留めるなど、没入感が得られるやすいデザインとした。最薄部わずか7mmで、背面やスタンドまでこだわった360度デザインに仕上げたという。
次世代ディスプレイとして注目と集めながら、日本ではいまだに液晶テレビが主流。この現状に対し李氏は「テレビのハイエンドモデルと呼ばれる2000~2500ドル程度の市場規模は約400万台。その4分の1にあたる100万台を有機ELに置き換えたい。液晶テレビと価格でも競合していけるように準備している」とした。
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