2週間の「iPad Proメインマシン経験」で最大のメリットは、Wi-Fi+セルラーモデルの存在だった。筆者が米国で契約しているT-Mobileでは、月間2Gバイトのデータ専用プランを、10ドル(20ドルから10ドル割引)で付けられる。SIMカードをショップで購入するか、オンラインで取り寄せ、iPad ProのSIMスロットに挿入すれば使えるようになる。
iPhoneのテザリングを利用するのも手だが、iPad単体で通信ができ、メインマシンとして十分な役割を果たしてくれる点が大きな進化となったように感じた。なにしろ、Macのように、Wi-Fiスポットを探さなくても快適な作業環境にありつけるし、テザリングのようにiPhoneのバッテリを食わずに済むのだ。
iPad Pro 9.7インチのセルラーモデルが進化したポイントは2つある。1つは、アンテナ部分のデザインがシンプルになり、これまで大きかったプラスチックパーツが排除されたことだ。筆者はどうしてもこれまでのセルラーモデルのアンテナ部分が好きになれなかった。
2つ目のポイントは、Apple SIMが内蔵されたことだ。Apple SIMは、プリペイド、もしくは都度払いのデータプランを、自国あるいは出張時の国外でiPadから直接契約できる仕組みで、これまではApple Storeで物理的なSIMカードとして販売されてきた。iPad Pro 9.7インチモデルはApple SIMの内蔵により、別にSIMカード購入しなくてもその機能を利用できるようになった。
ちなみに手元のデバイスでは、なんらかのSIMカードを差し込まなければApple SIMもアクティベートされないらしく、SIMカードなしの状態ではApple SIMを用いた通信ができなかった。
筆者は米国のT-MobileのSIMカードをiPad Proに差し込んでいる。T-Mobileは月額払いのプランでは、128kbpsと低速ではあるが、無料の米国外データローミングサービスを提供している。そのため、日本に出張しても、そのままデータ通信は行えた。
ただ、128kbpsではさすがに遅く、T-Mobileのオプションである4Gローミングは高い。そこでApple SIMの登場だ。日本では、auで1Gバイト1500円のプランが利用でき、快適な通信環境を手に入れられた。
日本のユーザーが米国に来る場合は、逆にT-Mobileの都度払いのデータプランを利用できる。5Gバイト分、5カ月有効なデータパスが初回は10ドルという価格は格安だし、毎月200Mバイトを無料で利用できる面白いプランも用意している。
物理的なApple SIMとApple SIMの切り替えは、「設定」アプリの「モバイルデータ通信」の項目から行える。もしT-MobileのプランをApple SIMで有効にしていても、「新規プランを追加」し、他のキャリアのプランを選択できる。
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