「iPhone SE」は飛ぶように売れているというわけではないかもしれないが、Appleは同製品から最大限の利益を生み出す仕組みを考案している。
Appleは、従来の「iPhone」と同様の部品を多用することによって、iPhone SEの価格を大きく抑えることができているという。IHSが、Appleの新しいiPhone SEを分解調査した結果として述べている。
同社の分解調査によると、399ドルで販売される16Gバイト版のiPhone SEを製造するためのコストは、わずか160ドルだという。つまり、1台販売するごとに239ドルもの利益が生まれる。
499ドルで販売されている64Gバイト版の場合、Appleの利益は89ドル増えて328ドルとなる。
「iPhone SEは、『iPhone 5s』『iPhone 6』『iPhone 6s』の3世代のiPhoneを融合して、まったく新しい製品として構築したものである」とIHSでコストベンチマークサービス担当シニアディレクターを務めるAndrew Rassweiler氏は述べた。「外観はiPhone 5sに似ているが、はるかに優れた製品となっている。実際、iPhone 6sの代わりにiPhone SEを選択する消費者の主な妥協点は、サイズが小さく画面解像度が低いということだけである」(Rassweiler氏)
Appleが多額の利益を得られるように後押しする要因として、部品価格が引き続き低下していることもある。AppleがiPhone 5sを発売したとき、4インチディスプレイに対してAppleが支払うコストは40ドルを超えていた。しかし、iPhone SEに搭載されているそれと同じディスプレイは、約20ドルである。
「価格は時間とともに変化するものであり、Appleは時の流れとともに同社製品の利幅を高めている」とRassweiler氏は述べた。「ディスプレイなどのサブシステムの現在の利幅がどれだけであれ、1〜2年すれば部品価格の低下に伴って、必ずその利幅は大きくなる」(Rassweiler氏)
またAppleは、通信事業者ごとに異なるバージョンを製造するのではなく、すべての通信事業者に対応する単一の端末を製造できるようにもなり、それが研究開発費や製造コストの削減につながっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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