Bloombergは2015年末、「iPhone」のハッキングに初めて成功した人物としてGeorge Hotz氏を取り上げた。その記事で、Hotz氏は携帯電話から自動車の世界に軸足を移したことを明らかにし、Tesla Motorsの「Autopilot」より優れた半自律走行システムを開発することを目標として掲げていた。そして今回、その取り組みに向けて同氏がかなりの額の資金を調達したことが明らかになった。
Re/codeが米国時間4月3日に報じたところによると、Hotz氏の会社comma.aiが、ベンチャーキャピタル企業Andreessen Horowitzの主導する資金調達ラウンドで310万ドルを調達したという。この資金は、フルタイムの従業員を増やすために使われる予定だという。現在、同社の従業員は(これまで自己資金で同社を運営していたHotz氏自身を除き)4名しかいない。
同社の目標は、Autopilotと同じような半自律走行技術を車に追加できる後付け用の自動車部品をリリースすることだ。当面、このシステムは高速道路専用になるようだ。だが、システムの開発自体以上に大きなインパクトを与えると思われるのが、comma.aiの目標とする価格だ。同社はこのキットを1000ドル未満で販売したいと考えている。
ただし、当然ながらこのシステムは古い車には使えない。Hotz氏はRe/codeの取材で、「絶対的な最低条件として、電子制御式のパワーステアリングと(自動)ブレーキ装置が車に備わっている必要がある」と述べている。
また、自動車メーカーのAPIにアクセスすることも必要になるだろう。APIとは、ソフトウェアとハードウェアがどのように情報をやり取りするかを規定するルールや手順のセットだ。ところが、それはおそらく必要ないとHotz氏は述べ、「私はハッキングの世界からやってきた。ハッキングが私の仕事だ。APIを提供してもらう必要はおそらくなく、ソフトウェアに手を加えるだけで動作させられるようになると思う」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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