Googleの自動運転車プロジェクト担当ディレクターのChris Urmson氏は、先頃起きた自動運転車とバスの衝突事故について、テキサス州オースティンで開催の「South by Southwest」(SXSW)で壇上に立って明確に説明した。Urmson氏は、自動運転車テクノロジの進歩についても語り、先頃の事故さえも同テクノロジにとって貴重な学習体験だと述べた。
米国時間2月14日に発生したこの事故では、Googleが改造を施して自動運転用のセンサやコントロールを追加した「Lexus RX 450h」と、カリフォルニア州マウンテンビューの市営バスが衝突した。この低速衝突事故で、バスと自動運転車の両方が少し破損したが、けが人はなかった。これは、現実世界で140万マイル(約225万3000km)の走行テストを実施してきたGoogleの自動運転車が起こした初めての衝突事故だった。
Urmson氏がSXSWでした説明によると、Googleの自動運転車は右折の際、人間のドライバーと同じように、道路の縁に車を寄せて、信号で停止した車の横を進むようにプログラムされているという。自動運転車は道路の縁を前進していたとき、前方の道路に砂袋がいくつかあることを検知したので、車を停止させて隣の車道が空くのを待つことにした。
信号が青になり、車の流れが動き始めた。自動運転車は隣の車線のバスが近づいてきていることを検知したが、バスの運転手が減速すると判断した。Urmson氏の説明によると、バスの運転手は自動運転車が発車しないと判断して、そのまま走り続けたという。自動運転車は隣の車線に移動し、時速約2マイル(約3.2km)でバスの側面に衝突した。
Urmson氏によると、この衝突事故を受けて、同氏のチームは「再発防止のために3500の新しいテストを実施」したという。
Googleの自動運転車プロジェクトでは、ディープラーニングテクノロジが重要な役割を果たしている。そして、今回の衝突事故を起こした自動車の体験は新しい運転パラメータセットとして、Googleの自動運転車部隊の全車に送信される。現在、公道を自動運転しているGoogleの全車両は現実世界の状況から経験を収集しており、ディープラーニングテクノロジを通してそれらの経験を共有している、とUrmson氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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