パナマの法律事務所から流出した文書を読むと、エリート層が世界中で自分の資産をどのように隠しているのかが分かる。
先週末に公開された流出文書により、アイスランド政府関係者の租税回避手段が暴露され、既に窮地に立たされていた国際サッカー連盟(FIFA)の金融慣行が白日の下にさらされた。そして、それは始まりに過ぎない。
今回の文書流出を受けて、多くの人が激怒している。アイスランドの国民はレイキャビクの通りを占拠して抗議した。文書で詳細に説明されている企業の欺瞞の多くが合法であることに人々は当惑した。
しかし、これらの文書が流出し、複数のメディアソースで公開されたことは、もっと大きな問題を示唆している。具体的には、関係者を窮地に陥れる内部文書が企業のサーバ上に存在し、それが標的になっている、ということだ。いわゆるパナマ文書がMossack Fonseca法律事務所からどのように流出したのかは不明である。しかし、裕福なクライアント向けのオフショア銀行口座設立で知られる同法律事務所は、決して孤立した事例ではない。クライアントや顧客、従業員に関する真実を暴露された企業は、ほかにもある。
サイバーセキュリティ専門家によると、データの安全を維持する問題はまだまだ解決されていないので、衝撃的なデータが流出したり、ハッキングされたり、そのほかの方法で盗まれたりすることは今後もあるはずだという。
現在のところ、組織から文書を盗み出すのは極めて簡単だ、とサイバーセキュリティ専門家は話す。サイバーセキュリティ企業OptioLabsの幹部であるBill Anderson氏によると、外部の攻撃者が企業のネットワークに侵入すると、パナマ文書のようなデータを簡単に見つけて、コピーを盗み出せることがよくあるという。
「それぞれの文書の作成および管理方法の根本的な設計を変える必要があると思う」(Anderson氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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