3月5日、オープンデータの普及を目指したハッカソンやワークショップを全世界で同日に開催するInternational Open Data Day(以下IODD)に合わせた関連イベントが日本全国で開催された。神戸市では10月に開催されるセマンティックとLinked Dataに関する国際会議「International Semantic Web Conference」(以下ISWC)と連携した「ISWC 2016 KOBE 連携イベント International Open Data Day 2016 神戸」が行われた。
10月17日から神戸国際会議場で開催されるISWC 2016は、WWWの発案者であるティム・バーナーズ=リー氏が提案するセマンティックウェブをテーマに、次世代ウェブの技術の研究、開発者らが参加する国際会議である。2002年にはじまり、近年ではビッグデータ、AI、IoTなど扱うテーマが広がり、GoogleやIBMらが企業スポンサーとして参加し、発表も増えている。開催地は欧米とアジアを巡回しており、日本での開催は12年ぶりとなる。
セマンティックウェブとは簡単に言うと、ウェブを賢くするための技術である。コンピュータが情報の意味を理解できるようにすることで、より高度な情報検索を可能にする。そのベースにあるのが、Linked Open Data(LOD)の一つであるRDF形式のデータで、RDFはオープンデータの公開ファイル形式としても推奨されていることから、オープンデータ化を進めることはセマンティックウェブの実現にもつながるというわけだ。
神戸市では2015年ごろからオープンデータとビッグデータの利活用を進める動きを強めており、攻殻機動隊とタイアップした「神戸市公安9課」プロジェクトなどで話題を集めてきた。さらに、姉妹都市のバルセロナと連携したオープンデータの国際ワークショップも開催する予定で、神戸市のオープンデータを使用したヴィジュアライズ作品コンテストも行われる。ISWCの開催は、そうした神戸市の動きを世界トップの有識者たちに知ってもらうまたとない機会になる。
今回のイベントを主催したCode for KobeとHyogoは、地域の情報活性化に取り組み、これまでに自治体らがPDFやワード形式で公開しているデータをRDF形式に変換する活動や、公開されたオープンデータを使ってアプリやウェブサービスを開発するハッカソンを開催するといった活動を行ってきた。そこで、今回は全世界で同時開催されるIODDにあわせて、ISWCという国際活動とリンクさせる機会にするためのアイデア出しや意見交換を行う場を設けることにした。
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