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Visaディクソン日本代表「カードには固執していない」--デジタル戦略を聞く - (page 2)

藤井涼 (編集部)2016年03月18日 14時30分
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 アップルやグーグル、サムスンなどが提供する新たな支払い方法が、我々の世界に入ってくることは、コンシューマに高い利便性を提供するという意味でも歓迎しています。私個人としては、将来的には「モバイル」と「コンタクトレス」の方向へと進んでいくだろうと考えています。

 また、それにともない将来はカードがなくなるのではという質問について、私は答えを持っていませんが、Visaとしてはカードに固執しているわけではありません。カードは1つのフォームファクタであり、それが時計でも冷蔵庫でも、コンシューマにとって最も利便性の高い支払い方法であればいいのです。その裏側には、個人や加盟店、銀行をつなぐVisaネットワークがあり、そこで我々が安全でセキュアに連結性や接続性を提供することが重要なのです。

「カードは1つのフォームファクタ」とディクソン氏
「カードは1つのフォームファクタ」とディクソン氏

--キャッシュレスな決済に対しては、安全面を不安視している人もいます。

 Visaでは高度なセキュリティを実現するため、EMVチップを搭載したカードの開発や提供を進めています。また、ECサイトなど物理的なカード以外の支払いにおけるセキュリティ対策として、トークン決済によって、なりすましや偽造カードによる不正取引を検知することが可能です。もちろん、日本のパートナーとは非常に密に連携していますし、政府ともコミュニケーションをとっています。

--2月にはVisaの決済サービスのAPIを開発者に提供するプログラム「VISA Developer」を発表しました。世界最大手の決済事業者がプラットフォームを開放したことで話題になりましたが、その狙いは。

 まず前提として、Visaはかなり長い間、テクノロジーを使って金融機関などに対して、さまざまなFinTechサービスを提供してきたネットワーク企業であるということです。現在もいろいろな支払いの形を研究しており、多くのパートナー企業と、モバイルをはじめとした新たな支払い手段を開拓しようとしています。

 その中で、先日VISA Developerを開始しました。Visaのシステムをオープンにして、私たちのAPIやSDKを使って、サードパーティに新たな商品を開発していただくというものです。やはり、いいアイデアはどこから出てくるか分かりません。社内ではなく社外からかもしれません。多くのパートナーに(APIなどを)有効活用していただくことで、Visaネットワークをより便利に使っていただければと思います。

--米国などと比べると、日本はFinTech領域で遅れていると言われることもあります。

 私は決してそんなことはないと思っています。日本はいろいろな側面でかなり先進的な国です。たとえば、電車での支払いに早い段階でコンタクトレスを取り入れていますし、銀行での送金なども比較的早く対応してきました。

 その上で必要なことは、レストランやスーパーでの買い物やECなど、日常の消費において、現金ではなくクレジットカードやモバイルによる電子決済を利用することをもっと働きかけることでしょう。おそらくFinTechは、そういった基本的なところから進むと思っています。そのためにも、加盟店やコンシューマにカードが使えることを明確に伝えていくことが大切だと思っています。

--最後に、ディクソン氏が日本市場においてミッションとしていることを教えて下さい。

 最も大きなミッションは、2020年の東京オリンピックに向けて、日本のコンシューマや訪日外国人に対して、最も安全でセキュアな支払いシステムを提供できるよう、マーケットを率いていくことだと思っています。これは、政府や加盟店など、すべてのステークホルダーにとって利益があることでしょう。もちろん、すでに日本はその方向に進んでいますし、これがより加速していくのだと思います。

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