玩具メーカーのレゴと筑波大学付属小学校は3月16日、レゴの教育部門である「レゴ エデュケーション」が開発した教育機関向け学習教材「LEGO WeDo 2.0」を使って、小学生がプログラミングをしながらモノの仕組みや科学を学ぶ授業を報道陣に公開した。
授業で使用されたLEGO WeDo 2.0では、280ピースのレゴブロック、パワーモーター、モーションセンサ、チルト(傾き)センサ、そしてタブレットやPCと通信して、モーターやセンサを制御するスマートハブを組み合わせて動くモデルを組み立てる。その後、PCやタブレットに導入したソフトウェアで、モデルを動かすためのプログラミングを行い、組み立てたモデルを動かすというものだ。
プログラミングは、スマートハブに指示を出すためのアイコンをドラッグ&ドロップするという簡単なもので、モデルと端末はBluetoothで通信する。作成したプログラムにはノートツールで説明を入力し、発表資料として出力することも可能だ。
この教材では、科学、物理、生物、地学といった理科分野のテーマを中心に授業でインプットされた情報を、出された課題に応じたモデルの組み立てやプログラミングを通じて意欲的にアウトプットすることで、思考力や問題解決能力を磨くことを目指す。また、クラスメイトと協力しながら作ることでコミュニケーション能力を育むことも狙いだという。
このLEGO WeDo 2.0の学習指導案の策定には、今回授業を実施した筑波大学付属小学校の鷲見辰美教諭が協力しているとのこと。製品では、基礎から応用まで40時間分の学習プログラムが提供されるという。
今回公開された授業は「総合」という科目の一環で、小学5年生の児童38人が参加。「速度」を学ぶことをテーマに、児童たちは車をイメージしたモデルをレゴブロックで組み立て、その車が動くプログラムをPCで作り実際に動かした。課題は、車を走らせて用意された壁の前で一度停車し、再び元の場所に戻ってくるという内容だ。
子どもたちはソフトウェアのアイコンを動かしながらプログラムを組み、床に用意された“走行コース”で試走を繰り返した。特に、加速した車に対してどのタイミングで「止まれ」のプログラムを作動させるかがポイントで、児童たちは失敗しながらもどうすれば課題をクリアできるかを試行錯誤していた。
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