レゴブロックで小学生がプログラミング体験--筑波大付属小が授業公開 - (page 2)

試行錯誤しながら成功体験を積み重ねる

 筑波大学付属小学校の鷲見辰美教諭は授業を振り返り、「児童たちは自分たちでモノを作り動かす楽しさを味わっていた。授業には児童の理解に個人差が生まれるものだが、このプログラムでは課題をクリアできない児童はその課題の解決に没頭でき、クリアできた児童は新しい課題や気づきにチャレンジできる。できない生徒が授業に置いていかれるという心配がない。このような体験を繰り返していけば、自ら進んで行動を起こし、その反応に対して試行錯誤しながら成功体験を積み重ねることが期待できるのではないか」とコメント。

授業の意義について語る鷲見教諭
授業の意義について語る鷲見教諭

 またこの授業の狙いは、自らが試行錯誤しながら成功体験を得ることだとした上で、「その成功体験が子どもを前向きにさせる。“できた!”と思える瞬間は、大人でも楽しい。与えられた課題をただこなすだけでは、子どもたちは前向きにはなれない」と、子どもの成長における成功体験の重要性を提言した。

 プログラミングを授業に活用している点については、「理科の授業では、実験のやり直しはなかなかできないが、プログラミングであれば失敗しても何度もやり直しをしながら成功を目指せる」と評価。世の中のあらゆるものがプログラムによって動いている現代では、ICTを使いこなすことができる人材を育てることが重要だとした。「子どもたちには、ゲームに没頭するのではなく、みんなを楽しませるゲームを作れるような大人になってほしい」(鷲見教諭)。

 LEGO WeDo 2.0は、4月1日より日本国内で発売される予定。2019年までに国内2000の教育機関に3万台の導入を目指しているという。レゴ エデュケーション日本代表の須藤みゆき氏は、「LEGO WeDo 2.0は教育現場からの意見を取り入れながら、日本の教育環境に合わせて普及を進めていきたい。自分自身でアイデアを組み立てて仲間と共有し、ICTを活用することで作ったモノが実際に動くというLEGO WeDo 2.0 のコンセプトは、“主体的”、“協働的”といったアクティブラーニングの要素を、子どもたちの学びの中で引き出せるのではないか」とコメント。

 課題について調べてディスカッションしていく“調べる”、ブロックを組み立ててプログラミングをする“組み立てる”、その中で生まれた学びを仲間に伝え、次の学びに活かしていく“発表する”という3つのフェーズを、授業時間の中で効率的に進めることができるLEGO WeDo 2.0の利点を強調した。

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