結局、完璧ではなかったということか。韓国のトップ棋士Lee Se-dol氏が、Google DeepMindの人工知能(AI)である「AlphaGo」との第4局を制した。両者は、人間とAIの間の歴史的な囲碁対局に臨んでおり、第4局はこれまでで最も興味深い一戦となった。
今回の対局では、まずAlphaGoがミスを犯したことがLee氏に反撃を許すきっかけとなり、同氏を劇的な勝利へと導いた。この画期的な囲碁対局は5局勝負で、韓国のソウルにあるフォーシーズンズホテルで行われている。
これで3勝1敗となった。AlphaGoは現地時間3月12日の第3局まで連勝しており、最終局の結果にかかわらず既に勝利が確定している。
Lee氏は1勝をあげたことで面目を保った。
AlphaGoが敗北を認めて投了した瞬間、第4局が行われた会場には歓声が沸き起こり、韓国の実況中継者らが歓喜の声を上げた。
「しかし私は3敗しているので、今回の1勝はとても貴重だ。この勝利は世界中の何物にも代えられない」と、Lee氏は喜びをあらわに語った。
第4局は第2局と似た雰囲気で始まった。AlphaGoが黒で先手し、Lee氏は守りの態勢で安定した試合運びを狙い、AlphaGoが優勢であるように見えた。
対戦は速いペースで進み、Lee氏は既に自身の持ち時間である3時間を使い始めていた。しかし、33歳の同氏は、78手目で盤の中央に戦いの場を移すことで反撃を開始し、さらには戦いを互角に持ち込むチャンスを切り開いた。
英語と韓国語の両方の解説者を驚かせた素晴らしいその1手が、試合の流れを変えた。それがAlphaGoの79手目のミスを誘い、AlphaGoはその後、おかしな動きで石を置くようになって、自らの不利な状況に追い打ちをかけることとなった。
それは、Lee氏にとってこれまでの3局とは全く異なる戦法であり、態勢の立て直しだった。
Lee氏は反撃を仕掛け、それはこれまでの4局で最もきわどいものだった。そこからAlphaGoはおかしな動きを見せるようになった。中盤から終盤にかけてLee氏が角を取り始めると、AlphaGoは優勢を得ようとパターンを変え始めたが、Lee氏は落ち着いてその攻撃を防いだ。
AlphaGoは、44分の持ち時間が経過した時点の180手目で投了した。
Google DeepMindの最高経営責任者(CEO)、Denis Hassabis氏は対局終盤に、「Lee Sedol氏は素晴らしい戦いを見せている。#AlphaGoは善戦していたと思われたが、87手目で混乱した。困ったものだ・・・」「79手目がミスだったが#AlphaGoは87手目ぐらいで初めてそのことに気づいた」とツイートした。
同氏は対局後、Lee氏を称えた。「Lee Sedol氏、第4局を制す!!!おめでとう!今日の同氏はわれわれにとってあまりに強く、#AlphaGoはミスへと追い込まれて立て直すことができなかった」(Hassabis氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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