米司法省(DOJ)は米国時間3月10日、「iPhone」ロック解除をめぐる継続中の争いでAppleに反論し、米連邦捜査局(FBI)の要請に従うことは同社にとって「不当な負担」にはならないと述べた。
米政府は裁判所に提出した43ページの書類の中で、Appleが「テクノロジの壁を故意に高くており、その壁は今、合法的な令状と、テロリストによる14人の米国人殺害に関連する証拠を含むiPhoneの間に立ちはだかっている」と述べた。
「FBIが証拠のiPhoneを調べられるように、それらの壁を取り払うことができるのはAppleだけだ。そして、同社は不当な負担なしにそれを実行できる」(米政府)
憲法と「All Writs Act」(全令状法。AppleにFBIへの協力を強制するのに使われた227年前の法律)、および米国の立法府、行政府、司法府は「各市民のプライバシー権と全市民が安全と正義を享受する権利の適切なバランスを取る」ことができると信頼されるべきだ、とDOJは10日に指摘した。「法規範はその権力を1つの企業には委ねない。その企業が製品販売でどれだけの成功を収めていようと関係ない」(DOJ)
今回の「裁判所命令は穏当」なもので、1台のiPhoneにしか適用されない、と米政府は10日に主張した。
「裁判所命令は、Appleが最も負担の少ない遵守方法を選ぶことを認めている。Appleもよく分かっているように、今回の命令は、ほかのiPhoneのロック解除、万能『マスターキー』や『バックドア』の政府への提供を同社に強制するものではない」(DOJ)
テロリストの「iPhone 5c」のロックを解除するソフトウェアを作ると、ほかのすべてのiPhoneが影響を受けるとのAppleの主張にFBIは反論している。「裁判所命令で要求されている」特別なテクノロジは「本件の証拠の端末だけで動作する」とFBIのエレクトロニクスエンジニアであるStacey Perino氏は、裁判所に提出された説明書類の中で述べた。
すべてのiPhoneは、ソフトウェアアップデートのたびにAppleが特別に署名したコードが必要で、このコードはその特定の端末に保存されている。このソフトウェア上の識別子はユニークなものなので、裁判所命令が要求しているテクノロジをほかのiPhoneで使うことはできない、とPerino氏は主張した。
米政府はAll Writs Actを持ち出したことを擁護しており、この法律を可決したとき、「議会は、合法的な令状がAppleのような第三者に妨げられることのないように対処する手段を裁判所に与えた」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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