Appleは電子書籍価格操作に関する訴訟で上訴していたが、米連邦最高裁判所はこれを棄却した。
米司法省は米国時間3月7日、今回の裁定は、Appleが電子書籍の価格操作で共謀したとするニューヨーク州の連邦第2巡回区控訴裁判所による2015年6月の判決が有効であることを意味すると述べた。これによりAppleは、2014年7月の和解に基づき、電子書籍購入者に4億ドルを支払わなければならないことになる。
米司法省は2012年4月、Appleが出版社5社(Hachette Book Group、HarperCollins Publishers、Holtzbrinck Publishers、Penguin Group、Simon & Schuster)と共謀して電子書籍価格を操作したとして、独占禁止法違反で民事訴訟を起こした。この訴訟では、Appleと出版社の行為が、他の電子書籍販売業者による価格競争を妨げ、消費者が電子書籍に支払わなければならない価格をつり上げたとして訴えられていた。
電子書籍市場は、出版業界に論争を巻き起こす新しい時代をもたらした。出版社は当初、電子書籍の販売によって従来の印刷書籍の収益が減少することを恐れて、デジタル書籍をAmazonの「Kindle」のような電子書籍リーダーに提供することに懐疑的だった。Appleの訴訟にも、電子書籍の価格体系に対する出版社らの懸念が表れていた。独占禁止法に違反してでも価格への支配力を維持したいと考える出版社もあった。
米司法省は民事訴訟で、Appleと出版社5社は共謀して価格を操作し、電子書籍リーダーKindleで電子書籍市場を支配するAmazonの牙城を崩そうとしたと訴えていた。Appleと出版社らは、小売業者ではなく出版社が価格を設定するエージェンシーモデルへの移行をAmazonに強要し、「それがなかった場合と比べて、消費者が電子書籍に支払う金額が大幅に引き上げられた」と米司法省は述べた。共謀により、一部の電子書籍の価格は、Amazonが設定していた9.99ドルから、12.99ドルまたは14.99ドルにまで引き上げられたとも述べた。
Appleは4億ドルの損害賠償を、電子書籍購入者が今後の購入に使用できるクレジットの形で支払う。Appleはさらに原告側の弁護士費用として5000万ドルを支払う。この4億5000万ドル以外に、価格操作に関与した全出版社が1億6600万ドルを支払っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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