政府は2015年から電力改革を推し進めており、2016年4月に電力小売りを全面自由化、2020年4月には発送電分離の義務化を実施する。発送電分離とは、電力会社の発電部門と送配電部門を分社化することで、この施策により様々な事業者が自由に電力を作り、販売できるようになる。
まもなく始まる電力小売りの自由化により住宅の電力事情は大きな転換期を迎える。2020年に向かって、電力事情はどうなるのか。私たちは電気や住まいとどう向き合っていけばよいのか。2月18日、朝日インタラクティブによる「CNET Japan Live 2016」において、「2020年の『電気』は選んで、創って、減らせる時代へ」と題したパネルセッションが開催された。
パネリストは、東京ガス 事業革新プロジェクト部長の笹山晋一氏、パナホーム 戸建・資産活用事業本部戸建住宅事業部 戸建事業企画部リーダーの伊藤八千代氏、パナソニック エコソリューションズ社新事業推進センター所長の磯崎典夫氏。モデレーターは、トーマツ ベンチャーサポート経営企画統括の森山大器氏が務めた。
はじめに、直近の電力小売り自由化に向けて、各社の現在の取り組みについてパネリストに聞いた。ガスの小売り自由化を2017年に控えている東京ガスでは、電力販売のプランとして「ずっともプラン」を提供する。
「電力自由化について顧客にアンケートを実施した。すると、お得、安心、簡単・便利という3つのニーズが読み取れた。そこで、“お得”な電気料金だけでなく、ガス・電気のセット割、通信も加えたトリプル割などを用意した。“安心”は電気に関する実績に加え、生活まわり駆けつけサービスを、“簡単・便利”についてはmyTOKYOGASというウェブ会員サービスをリニューアルする。ガスと電気の使用量を“見える化”し、省エネにつながるアドバイスなどの情報も提供することとした」(笹山氏)。
住宅建材、資材、設備を扱うパナソニック エコソリューションズ社は、「スマートHEMS」を提供している。「太陽光パネルによる太陽光発電、家庭用蓄電池、オール電化のエコキュート、ガスで電気とお湯を作るエネファームなどの住宅設備を取り扱っている。こうした製品を組み合わせて連携させることにより、お金をかけずに電気を作ったり、使ったりできるスマートHEMSという仕組みを販売している」(磯崎氏)。
住宅会社であるパナホームは、「ゼロエコ」という仕様を展開している。「政府のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)に合わせて、2018年までに戸建全商品のZEH化を目指している。ゼロエコはエネルギーの収支をゼロにする住まい。エネルギーを作り、賢く使い、活かしていく。長期視点で安心できる住まい作りを行っている」(伊藤氏)。
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