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なぜ止まらない?子どものソーシャルゲーム高額課金問題 - (page 2)

条件次第で未成年者の高額課金支払い免除も

 「(パスワードを入力しないでも買える設定にしていたら)4歳の幼児がゲームで数万円を課金していた」「小学生の子どもがクレジットカード番号を入力して勝手に10万円以上を課金していた」という話も聞いている。子どもがスマホゲーム、ソーシャルゲームで高額課金をしてしまった場合、保護者は黙って支払わねばならないのだろうか。

 実は、特定の条件下ではそうとは限らない。民法では、以下の条件がそろった場合は未成年者の行った契約を取り消すことができるとされている。

  1. 契約時の年齢が20歳未満である
  2. 契約当事者が婚姻の経験がない
  3. 法定代理人が同意していない(法定代理人=未成年者に対して親権を有するもの。多くは両親)
  4. 法定代理人から、処分を許された財産(小遣い)の範囲内でない
  5. 未成年者が詐術を用いていない

 詐術とは、未成年者が自分を成年者と偽ったり、法定代理人の同意を得ていないのに得ていると偽る行為のこと。つまり、単に未成年者が「成年である」と言ったり「同意を得ている」と言っただけでは詐術ではないことになる。運営会社によって対応は異なるが、返金に対応するところもある。念のため、問い合わせ窓口に申し出る価値はあるかもしれない。

 企業側もこの問題に対して対応し始めており、多くの企業が未成年者に対し、課金上限額を定めている。「モンスターストライク」は16歳未満は月額5000円、16~19歳は2万円。「パズル&ドラゴンズ」は16歳未満は月額5000円、20歳未満は2万円などだ。

 未成年は上限を超えて課金されることはないが、年齢を偽って登録していると課金できてしまう。件の「グランブルーファンタジー」には15歳以下は5000円などの制限はあるものの、年齢は自己申告制だ。子どもに正しい年齢で登録することの大切さを伝えるべきだろう。

プリペイドカードで課金する子どもたち

 「子どもにはクレジットカードを持たせていないから課金できないはず」と思う保護者もいるようだ。しかし、実際は未成年でも簡単に課金できてしまう。

 コンビニエンスストアで「iTunesカード」「GooglePlayカード」「WebMoney」「LINEプリペイドカード」などのプリペイドカードが並んでいるのを見たことがあるだろう。購入時に年齢確認なども必要なく未成年でも購入可能であり、これを使うと未成年でも簡単に課金できてしまうのだ。

プリペイドカードはコンビニで簡単に手に入る
プリペイドカードはコンビニで簡単に手に入る

 高校2年男子A男は、ある人気スマホゲームにハマっている。机の下に隠れて学校でもプレイするほどのハマりようだ。お小遣いやランチ代は全額プリペイドカード購入に充てる。当然、ランチ抜きの日が続くが、ゲームに課金するためには仕方がないと諦めている。「家に帰ったら夕飯までの間にカップラーメンとか食べてしのいでいる」という。

 Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトで「ゲーム 課金したい」で調べると、「クレジットカードを持っていないのだが(親名義のスマホだが)どうやったら課金できるのか」「iTunesカードで課金したいのだが親にばれないか。ばれると親が怒ると思うので……」「課金したら領収書やメール等はくるのか。通知がいくと困る」などと書かれた質問が山ほど見つかる。完全に未成年による書き込みなのだが、ユーザーから「コンビニでiTunesカード(GooglePlayカード)を買えば簡単に課金できますよ!」などの回答がついてしまっている。

 実際、小学生間でもこのことは周知の事実となりつつあるようで、ある小学4年男児は親に隠れてお年玉の5000円をつぎ込み、プリペイドカードを購入していた。使い終わったカードをゴミ箱に捨てていたからこそ保護者が気付いたが、もう少し知恵がついていたら判明しなかったかもしれない。

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