米司法省は、さらに12の事件に関係する「iPhone」からAppleにデータを取り出させるための裁判所命令を求めている。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間2月23日、新たに公開された裁判所文書で明らかになったと報じた。
米裁判所で23日に公開されたAppleからの書簡によると、これらのiPhoneは、カリフォルニア州サンバーナーディーノで起きた銃乱射事件とは別事件の証拠品だが、検察は、同事件と同様に「全令状法」(All Writs Act)を利用することで、同社に対し、端末内に保存されている情報を取り出すことに協力するよう求めているという。
この書簡は、Appleの弁護士から連邦判事に送付されたもので、これらiPhoneが関係する事件の場所を記載している。それらの場所は、イリノイ州で4件、ニューヨーク州で3件、カリフォルニア州で2件、オハイオ州で2件、マサチューセッツ州で1件となっている。
これらの端末がどのような犯罪捜査に関係しているかは不明だが、テロ事件ではないと消息筋はWSJに語っている。
米連邦裁判所は2月16日、Appleに対し、2015年12月に発生したサンバーナーディーノの銃乱射事件で容疑者が所持していたiPhoneのロックを解除できるよう米連邦捜査局(FBI)に協力することを命じた。
FBIは、Appleにソフトウェアの作成を求めている。そのソフトウェアとはiPhoneに搭載されるモバイルソフトウェアであるiOSの新しいバージョンのようなもので、複数の重要なセキュリティ機能を迂回するものだと最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は2月16日に公開した書簡で述べている。
この裁判所命令では、問題となっている特定のiPhoneのみを対象にそのソフトウェアを作成することを求めているが、Cook氏は、影響がそこでは終わらないと考えている。
「ひとたび作られれば、その技術は何度にもわたって何台もの端末で使われる可能性がある」と同氏は述べている。Cook氏はそのようなソフトウェアを「何億もの鍵を開けることのできるマスターキーと同じ」と表現した。
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