イラスト売買やIoTけん玉--「KDDI ∞ Labo」9期の最優秀チームが決定

 KDDIは2月22日、インキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」の第9期デモデイを開催した。第9期プログラムには6チームが参加し、最優秀賞には世界中のイラストや写真を売買して、電子ペーパーを生かしたIoT端末に表示する「uusia」が選ばれた。

 2015年10月に開始した第9期では、初めてハードウェアを開発するプログラムを開始。ウェブサービスを開発するオリジナルプログラムと、ハードウェアプログラムに参加する計6チームが、KDDIや全18社によるパートナー連合プログラムに参加する大企業のアセットやノウハウを活用して、具現化したアイデアを披露した。

第9期プログラムに参加した6チーム
第9期プログラムに参加した6チーム

ハードウェアも初参加した第9期の6チーム

気分で瞬時にイラストを変えられる額縁「uusia」

「uusia」
「uusia」

 最優秀賞を受賞したuusia(ウーシア)は、世界中のイラストや写真を売買できるプラットフォームとIoT製品を組み合わせたスマートインテリア。ユーザーは、世界中のアーティストの作品の中から好みのものを探し、PC・スマートフォンの壁紙やポスターなどとして購入できる。

 購入したアート作品は、専用のIoT額縁「uusia picture」に表示され、ユーザーはいつでも気分に合わせてイラストや写真をスマートフォンアプリから切り替えられる。電子ペーパーを使っているため、30日間電池がもつほか、電池が切れてしまってもイラストの表示が消えることはない。3月末に売買プラットフォームを公開し、5月に米国のクラウドファンディングで額縁の販売を開始する予定だ。

国境を越えた求人プラットフォーム「HRDatabank」

「HRDatabank」
「HRDatabank」

 「HRDatabank(エイチアールデータバンク)」は、労働者不足で悩む先進国の企業と、仕事が見つからない発展途上国の求職者をマッチングするサービス。同社によれば、海外で働きたい新興国の若者は20億人いるほか、人材獲得が十分にできていないとする日本企業は7割に及ぶことから、双方の課題を解決することを目指す。

 企業は24種類のフィルターを使って求職者を検索し、オンライン履歴書でビデオ自己紹介や他人による評価、学校でのランクなどを確認。気になる求職者がいればチャットやビデオで面接ができる。出身大学が自国でどのレベルの学校なのかを比較できる「ローカル情報比較システム」や、すぐに入国管理局に提出できる「ビザ申請書類自動作成システム」なども用意し、外国人雇用のハードルをなくすとしている。

プログラミングの“分からない”を解決する「AppMotor」

「AppMotor」
「AppMotor」

 「AppMotor(アップモーター)」は、エンジニアの問題を解決してくれるマッチングプラットフォーム。プログラミング中にエラーが起き、自分では解決できない時に、AppMotorに登録する他のエンジニアから解決策を教えてもらえる。

 同サービスの特徴は、自分が見ているプログラミング画面が、相手にも同じように表示されること。解決者は、間違っている箇所を音声・動画通話で教えることができるほか、マウスや文字入力も同期されるため、直接コードを打ち込んであげることもできる。これにより、まるで質問者と解決者がすぐ隣にいるような感覚で問題を解決できるようになるという。

動画で“失敗”しない買い物を実現する「ViC」

「ViC」
「ViC」

 「ViC(ビック)」は、動画に埋め込まれた情報をクリックして引き出す技術を使った商品プロモーションツールだ。たとえば、この技術をファッションECサイトに導入すれば、商品である洋服を着ているモデルが歩いている動画などを配信して、ユーザーに自分が着た時のイメージを持たせることができる。その動画をクリックすれば、そのまま商品情報を閲覧したり、購入画面に遷移したりできるという。

 また、そうした高品質な動画を非常に低価格で制作できることも強みだという。同社によれば、ViCはすでにパルコが展開するミツカルストアで採用されているそうだ。また、今後は映画やドラマ、料理や旅番組などへの展開を検討しており、ViCを通じて「これは誰?この場所はどこ?」といった、ユーザーの疑問や課題を解決していきたいとしている。

たった3分でお店のアプリが作れる「Buildy」

「Buildy」
「Buildy」

 「Buildy(ビルディ)」は、プログラミングの知識がなくても、簡単なクリック操作だけで、飲食店や美容室などのスマホアプリを制作できるサービス。同社によれば、アプリ制作は外注すると400万円程度かかるが、Buildyでは無料でアプリを制作でき、同時にスマホサイトも作ることができるという。

 SNSのように、「いいね!」やコメント、ユーザー投稿機能を搭載しており、双方向でコミュニケーションがとれる。また、ニュースやクーポンなど、顧客にリピーターになってもらうための機能も充実させた。今後は予約やポイントなどの機能も追加していきたいとしている。

けん玉を“デジタルおもちゃ”にする「電玉」

「電玉」
「電玉」

 「電玉(デンダマ)」は、加速度やジャイロなど、さまざまなセンサをけん玉に搭載したことで、対戦が可能になったIoTおもちゃ。技を繰り出すと、ダメージとなって相手の電玉に振動が伝わる。アプリと連動することで、対戦プレイや協力プレイ、1人プレイ、イベントなどで楽しめる。

 同社によれば現在、けん玉は世界でブームとなっており、14カ国以上で楽しまれているそうだ。今後は、クラウドファンディングサイト「Makuake」で2月末から先行販売を開始し、将来的にはダーツバーや遊技機施設、老人ホームなどに展開したいとしている。また、auショップなどでの体験機会の提供も検討するとした。

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