Googleと世界有数の大手通信事業者らは、「Android」フォンでリッチコミュニケーションサービス(RCS)の普及を加速する構想で協力する。
Facebookの「WhatsApp」が10億ユーザーを突破し「Messenger」も同じ大台に近づくなか、この提携で目指すのは、通信事業者のメッセージングを現代化することだ。
WhatsAppは、2015年の初めに7億人のユーザーを抱え、1日あたり300億件のメッセージを処理したと報告した。これは、世界のSMSの1日あたりメッセージ件数を約100億件上回っていた。
RCSの取り組みは2007年に始まったが、通信事業者による採用はまだ広がっていない。だが今回、20社近くのモバイル通信事業者は、業界団体であるGSMAの仕様に基づいてRCSの実装を標準化することで合意した。
一方のGoogleは、Androidフォンのメーカーと共同で、RCS、SMS、MMSをサポートするAndroid用クライアントアプリを開発していく。
SMSやMMSよりもRCSが優れている点は数多くあり、具体的にはグループチャット、高解像度写真の共有、既読通知などだ。これらの機能はすべて、「Hangouts」、WhatsApp、Messengerなどでは標準だが、全世界のSMSユーザー40億人には提供されていない。
Googleとモバイル通信事業者による今回の提携は、世界で10億人を超えるAndroidユーザーに共通の仕組みを提供し、RCSの普及促進に役立つはずだ。
GSMAの最高技術責任者(CTO)を務めるAlex Sinclair氏は、次のように述べた。「これは業界にとって素晴らしく前向きな進展だ。Googleの貢献は、Androidデバイス全体で共通のリッチな実装を可能にする新たな機会を通信事業者に提供し、メッセージング体験の本格的な変化を世界の消費者にもたらすだろう」
参加する通信事業者に含まれるのは、Amrica Mvil、Bharti Airtel、Deutsche Telekom、Etisalat、Globe Telecom、KPN、Millicom、MTN、Orange、PLAY、Smart Communications、Sprint、Telenor Group、TeliaSonera、Telstra、TIM、Turkcell、VimpelCom、Vodafoneだ。
Googleは、2015年にJibe Mobileを買収し、RCSに関与することを示唆していた。Jibe Mobileが提供していたクラウドプラットフォームでは、通信事業者がRCSサービスを立ち上げ、各通信事業者のRCSネットワークと相互接続することができる。
GoogleはJibe買収を発表した際、モバイル通信事業者やデバイスメーカーなどAndroidエコシステムのプレーヤーと協力して、RCSの導入をより一貫した状態で加速させたいと述べていた。
通信事業者は将来、自前のインフラ上にRCSを導入するか、GoogleのJibeプラットフォームを利用するかを選べるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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