「Apple Pay」が5カ国めとなる中国でサービスを開始することになった。大きな好機を提供してくれるが、同時に大きな課題を突きつけてくる市場でもある。
Appleは米国時間2月17日、「Developer」ページと最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏の「新浪微博(Sina Weibo)」アカウントを通じて、Apple Payが中国で利用できるようになったことを発表した。中国の消費者は、Apple Payを利用して、対応している小売業者の商品を「iPhone」や「Apple Watch」で購入できるようになった。
スマートフォンで商品代金を支払う機能は、特に中国などの国々で、何年も前から利用されている。2014年にサービスを開始したApple Payは、そのコンセプトに対する消費者の関心をかき立てた。Appleは、「Samsung Pay」やGoogleの「Android Pay」との競争に直面している。また、JP Morganのような銀行やWalmartのような小売企業も、モバイル決済という時流に乗ることを検討している。
Apple Payはすでに、米国、英国、カナダ、オーストラリアで利用されている。足掛かりを増やすために、同サービスはもっと多くの国に進出する必要がある。中国は、世界最大のスマートフォン市場であると同時に、売り上げの点ではAppleにとって2番目に大きい市場なので、大きな成功を意味している。
Apple Payは、中国の消費者を獲得する上で大きな課題に直面している。中国の消費者の多くはすでに、Tencent HoldingsとAlibaba Groupという国内の大手オンライン企業2社が提供するサービスを利用して、スマートフォンで商品代金の支払いを行っているのだ。Reutersは18日、China Internet Network Information Centerのデータを引用して、2015年末の時点で3億5800万人の中国人がスマートフォンで商品代金を支払っていると報じた。
Tencentの「Tenpay」やAlibabaの「Alipay」に対抗するため、Appleは、中国のクレジットカードおよびデビットカード市場を支配する銀行カード連合組織China UnionPay(中国銀聯)と提携した。Apple Pay担当バイスプレジデントのJennifer Bailey氏はReutersの取材に対して、現時点で19の中国内の銀行と金融業者もApple Payに対応しており、同国のクレジットカードとデビットカードの約80%でApple Payが利用できると語っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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