2月9日~2月15日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
筆者がこの原稿を書いている米国時間の2月15日は、グラミー賞が全米でテレビ放送された。最優秀楽曲賞はエド・シーラン「Thinking Out Loud」、最優秀アルバム賞はテイラー・スウィフト「1989」、最優秀レコード賞はマーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk」が受賞した。
Appleは、同社の主要音楽サービスを買い取り型のiTunes Storeから、定期購読型ストリーミングサービス「Apple Music」に移行して初めてのグラミー賞を迎え、ノミネートされたアーティストのプレイリストを同サービス内に用意して、授賞式を盛り上げた。2月の段階で、Apple Musicは有料会員1100万人を突破したとしている。
有料会員1000万人をどう見るか。これは、ライバルとなるSpotifyにとっては、音楽ストリーミングサービスが話題になる以前から6年かけて積み上げてきた数字だ。それだけ、Apple Musicが急速に追い上げていること、そして音楽ストリーミングサービスが一般化し、その波を活用できていることを表している。
Apple Musicのポイントは、新譜だけでなく、過去の楽曲も含めて、プレイリストを「編集」できる仕組みを備えたことだ。これは音楽エディターを各国で多数抱えるAppleが、ユーザーを楽しませるだけでなく、ユーザー同士もお気に入りのプレイリストを共有して音楽を楽しむ手段を手に入れることを意味する。そして、こうした新旧のカタログ曲は、プレイリストの編集によって発掘され、著作権料がAppleから支払われることになる。
Appleは、Apple MusicのAndroidアプリをリリースしている。Apple Musicは世界のモバイルOSシェア15%程度のiOSには標準搭載されているが、もしもAppleが音楽業界において影響力を保持したければ、それ以外の85%の市場開拓に手をつけないわけにはいかない。
Apple Musicに対する期待は、アーティストとユーザーが、ストリーミングサービスを介してより直接的につながることだ。Connect機能は、最新のトラックやデモテープをファンに聞いてもらう手段を用意しており、オンライン活動のマネタイズにもつながる。新たな音楽流通の手段として、アーティストに気に入ってもらう努力を続けていく必要がある。
しかし、これまでCDやデジタル販売からの収益を見込んできたアーティストからは、Apple Music等のストリーミングサービスに対して懐疑的な見方もある。2016年のグラミー賞最優秀アルバム賞に輝いたテイラー・スウィフトも、「1989」を当初はApple Musicで配信することを拒否してきた。
また最近では、カニエ・ウェストも、最新アルバム「The Life of Pablo」について、Apple Musicを含むストリーミングサービスには配信せず、音楽配信アプリ「Tidal」のみでの独占配信を行っている。結果、TidalはApp Storeランキングで1位を獲得するまでに注目を集めた。
こうした動きは、Appleが音楽業界を完全にまとめ切れていないことを表すエピソードの1つで、モバイルと音楽の関係において、過渡期であることもまた正しい認識だろう。今後、アカデミー賞やSXSWなど、音楽に関するイベントが多数開催される予定となっている2016年第1四半期、アーティストの話題作のリリースも含めて、注目していきたいところだ。
「Apple Music」、有料ユーザー数が1100万人を突破(2/15)筆者は7.9インチのiPad miniを2台続けて利用してきた。しかし、iPhone 6s Plusを使うようになり、またiPad Proを使って見て、次の2つの価値観が生まれた。
1つは「使いやすいキーボードカバーとApple Pencil対応のiPad Proは、多くの場面において、ノートPCの代替を立派につとめてくれる」。2つ目は「iPad Proは、ノートPCの代替として使うには大きすぎ、iPad miniでは小さすぎる。結果、9.7インチのiPad Airサイズが望ましい」。
これは筆者にとっての完全な願望ではあるが、いくつかの次期iPad Airに対する噂は、この願望を叶えてくれる可能性を示唆している。すなわち、Smart Connectorによるキーボードカバーへの対応、Apple Pencilのサポート、そしてiPad Pro譲りの高い処理性能を実現する、9.7インチのiPadという姿に期待ができそうだということだ。
Appleは3月15日にも製品発表会を開催し、3月18日には4インチiPhone 5seと、iPad Air 3を発売するとの見方が有力だ。
次期「iPad Air」のうわさを検証–機能、デザイン、発売日はどうなる(2/15)Appleは、米国に続いて中国市場を、巨大なiPhone市場に育てている最中だ。しかし2016年第1四半期決算において、iPhoneの販売台数の伸びがピタリと止まり、「大画面化」「中国市場への本格的な参入」という2つのブースターを使い果たしたとみられている。次なる新市場への進出が不可欠となっており、その行き先はインドになりそうだ。
Appleは間もなく、初の直営店をインドにオープンさせるほか、開発拠点を設置するなど、インドへの投資を積極的に進めている。また、シリコンバレーの企業はインド人のトップやエンジニアが次々に成功しており、そもそもインドへの熱い視線が強まっているトレンド下にある。そうした中、iPhoneのインドにおけるシェアは、わずか2%にとどまっている。
AppleがiPhoneをインド市場で成功させるための最大の問題点は、端末の価格だ。インドではSamsungを始めとしたAndroid向けの低価格端末が人気だ。そのため、Appleは、iPhone 5sなどの旧モデルを値引きして販売するほか、サイズが小さいながら、相対的に低価格を実現する4インチの最新モデルを登場させるといった施策によって、他の地域と整合性を取りながら、インド市場を開拓していくことになるはずだ。
アップル、直営店をインドにまもなく開設か(2/9)Apple TVの次期tvOSのベータ版で、音声による文字入力をサポートすることが分かった。
Apple TVを愛用している中で、できるだけ避けたかったのが検索における文字入力だ。確かに左右スクロールだけで済むのは、縦横左右のカーソル移動が必要な旧モデルに比べると使いやすいが、それでも全く快適な入力手段ではなかったからだ。音声入力への対応は、あのカーソル移動の煩わしさから解放される点で、大きな進歩となる。
その次の問題は、音声認識の精度だ。できれば、テレビや映画、音楽といったコンテンツに強い辞書を備えて、目的のコンテンツを簡単に検索できるようになればよいのだが。
「Apple TV」用OS、最新ベータ版で音声による文字入力が可能に(2/10)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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