Magic Leapは、まるで魔法のような技術で資金を集めている。
この謎のスタートアップ企業は、自らが「複合現実(MR)」と呼ぶ技術に取り組んでいる。同技術は、よく知られた仮想現実(VR)とは異なる。VRは、ゴーグルを使うことでスクリーンを顔の前に固定し、CG画像を表示する。MRは、CG画像を現実世界にある物の上に重ねて表示する。
Magic Leapの取り組みの素晴らしさについては、疑問の余地がある。ほとんど誰も目にしたことがない、というのがその一因としてある。それにも関わらず、フロリダ州デイニア・ビーチに拠点を置く同社は1年以上にもわたり、自社技術の売り込みを続けている。現在、Warner Bros.や中国のインターネット大手Alibabaといった大口の出資企業がおよそ8億ドルという大金を出し、Magic Leapのプロジェクトに関わろうとしている。Magic Leapは、自社のプロジェクトのリリース時期や価格、どのような外観になるかについて明かしていない。
2月に入っての新たな資金調達でMagic Leapの評価額は、45億ドルとなった。これは、これら技術(ここでは「現実プラスアルファ」と呼ぶ)周辺の盛り上がりを示す最新事例であり、これらガジェットが次なる金のなる木になってほしいという期待も示している。実現化されたこれら製品に見たところ最も近いものに「Google Glass」があるが、同製品がほとんど消え去ってしまったらどうなるだろう?Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏は、大手VRメーカーOculusを2年前に20億ドルで買収しており、その技術の可能性をコンピューティングにおける次の大きな進歩だと熱心に語っている。
Magic Leapのマーケティング担当幹部であるBrian Wallace氏は、誇大な宣伝文句が市場にあふれているが、Magic Leapは違うと述べる。
「Magic LeapはVRではない。VRは現時点において重点がゲームに置かれており、ポータブルでない。当社のMixed Reality Lightfieldはポータブルで、ゲームを含む複数のアプリケーションがあり、その幅はかなり広い」とWallace氏は米国時間2月2日に述べた。「これらアプリケーションは、家庭やオフィスの内外で適用可能だ」(Wallace氏)
現実プラスアルファ技術は、2020年に1200億ドル規模のビジネスとなる可能性があると企業買収アドバイザリー企業Digi-Capitalは述べる。Magic Leapの評価額が直近の資金調達で非常に高くなった背景の1つには、このような予測がある。
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