ソニーは2月10日、空間に溶け込む家電「Life Space UX」シリーズの新製品ポータブル超短焦点プロジェクタとグラスサウンドスピーカの発売を受け、記念イベントを開催した。東京・恵比寿の「アルフレックスショップ東京」で、インテリアの中に自然になじむ展示例を披露した。
Life Space UXは、居住空間を生かしながら新しい体験を生み出すことをコンセプトに開発されているシリーズ。2015年1月には4K超短焦点プロジェクタ「LSPX-W1S」、5月にはLED電球スピーカ「LSPX-100E26J」がリリースされている。今回新たに、ポータブル超短焦点プロジェクタ「LSPX-P1」とグラスサウンドスピーカ「LSPX-S1」が追加された。
ソニーTS事業準備室室長の斉藤博氏は「家電に対して何か違和感を感じるが、それに対するきちんとした解は持っていない。その1つの解だと思われるのが家電が発するストレス。ソファやテーブルは意識せずに使うことができるが、家電はリモコンはどこにあるか、どうやれば操作できるのかと使う前に考えなければならない。また、映像を見るにはテレビの前、音楽を聴くにはオーディの前に移動しなければならないという制約もある。そうした違和感と制約を取り払うことから生まれたのがLife Space UXシリーズ。家電を空間に足し込む足し算の発想ではなく、別のアプローチをしていきたい」とLife Space UXのコンセプトを話した。
ポータブル超単焦点プロジェクタは、幅131mm×幅81mm×奥行き131mmの中にスピーカとバッテリを内蔵したコンパクトモデル。壁だけでなくテーブル面や床にも投写ができ、自由な発想で使うことができる。
一方グラスサウンドスピーカは、有機ガラスを用いて音が部屋の中に広がる360度スピーカ。フィラメント型LEDを内蔵し、温かい光も提供する。
会場内では、アクシス取締役、多摩美術大学情報デザイン学科教授でアートディレクターの宮崎光弘氏、デザインエンジニアの田川欣哉氏、ジャーナリスト、コンサルタントの林信行氏によるトークセッションを開催。田川氏は「Life Space UXのモデルに共通するのは、背面、側面といった概念がないデザインを採用していること。こんな風にどこにでも置ける、意識しないで使える家電はあまりない。もっと言うと電源もない。そういった重くて動かせない、背面にはケーブルがあるといった家電が今まで決められていたことを、あえてなくしているのだろうなと感じる」とコメント。林氏も「超短焦点プロジェクタは電源を入れるといきなり机に映像が投映される。これを見て新しい時代の製品だと感じた。まさに21世紀のエレクトロニクス」と、Life Space UXが切り開いた新しいデザインを評価した。
宮崎氏も「4K超短焦点プロジェクタのようなハイエンド機器を発売し、その後はLEDスピーカというパーツのようなものが登場している。これがどうつながっていくのか非常い興味がある」とコメントした。
Life Space UXは新しいデザインとコンセプトを生かし、インテリアショップなどで展開していくとのこと。また長野・軽井沢の「軽井沢ホテルブレストンコート」で展示されたり、文化庁メディア芸術祭の展示に使用されたりと新たなコラボレーションも展開していく。
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