5年目を迎えた「KDDI∞Labo」の成果--ラボ長・江幡氏と経営共創基盤・塩野氏に聞く - (page 3)

江幡氏 : パートナー連合プログラムに参加する企業はスタートアップとの関わりを本気で考えているというのが肌感覚としてあります。そうした企業とスタートアップとのマッチングの仕方はもっと良い方法があると思うので、今後に向けて考えていきたいです。

塩野氏 : 日本のスタートアップは圧倒的にIPO志向ですが、IPOは資金調達手段の1つでしかなく、勲章でもゴールでもない。最近ではあえて上場しないユニコーン企業も増えていますし、エウレカのように、他社へのバイアウトという手段も十分考えられる。

江幡氏 : 新規事業を作りたい大企業も、強みを持っていない事業はジョイントベンチャーやM&Aという手段で解決できるということに、勉強や理解が必要なところでしょう。そうした手法をとる大企業が増えてくると、スタートアップの環境はいま以上に良くなるように思います。

大企業とスタートアップの関係性について語る2人
大企業とスタートアップの関係性について語る2人

塩野氏 : スタートアップを買収することは、大企業にとって新規事業のアウトソーシングだと思えばいいのではないのでしょうか。自分たちにできないところをベンチャーにアウトソースすることで、新規事業に取り組むという考え方です。

江幡氏 : メガベンチャーが全てではないですよね。M&Aで成長している。米国でさまざまなスタートアップの人たちと会いますが、最初からIPOではなく、成長したらグーグルなどに買収してもらうことを考えている人も多い。

 我々も相性がいいところがあれば積極的に絡んでいきたいです。セレクションの形も変えていけば、それぞれのパートナーが事業提携しやすくなるでしょうし、大企業の側がどういう事業を展開したいかを明確に持っていれば、よりスタートアップと付き合いやすくなるはずです。パートナーと向き合いながら支援の仕方を大きくすることが、今後はもっと必要ではないかと思っています。

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