Mozillaが「Firefox OS」の開発を終了すると聞いても、驚かなかった人もいるだろう。
結局のところ、MozillaはAppleの「iOS」とGoogleの「Android」モバイルソフトウェアを相手に、勝ち目のない戦いを挑んでいた。Firefox OSソフトウェアはこの数年、低迷を続けていた。
だが、Mozillaが米国時間2月4日に敗北を認めたことには注目しなければならない。それは、現在のモバイル世界がAppleとGoogleだけのものであることのさらなる証拠だからだ。AppleもGoogleもユーザーをネイティブアプリの世界に引き込む傾向を強めており、そこではユーザーが何を使うかについて、両社がいっそう大きな支配力を発揮する。逆にMozillaは、もっとオープンな選択肢を提示してきた。Mozillaの影響力が全体的に低下してきたため、活気あるウェブの構築、同団体のユーティリティのスマートフォンへの活用、強大なGoogleとAppleの抑止が難しくなってしまった。
もちろん、GoogleやAppleが何か非道なことを企んでいると言うつもりはないが、歴史を振り返れば、大企業が思うがままに権力を振るってきた例には事欠かない。Microsoftしかり、IBMしかり、「Ma Bell」と呼ばれていた時代のAT&Tしかりだ。皆さんはすでに、スマートフォンの強引な振る舞いを目にしているだろう。iOSのApple製「Maps」が気に入らないとしても、残念ながら、それがデフォルトだ。
2年半前に初のFirefox OS搭載スマートフォンが登場したとき、Mozillaは10年前の成功を再現できるものと期待していた。「Firefox」ブラウザがMicrosoftの「Internet Explorer」の牙城に挑み、爆発的なイノベーションを生み出して、競争力を発揮したときのことだ。だがFirefox OSは、「BlackBerry」やCanonicalの「Ubuntu」、Microsoftの「Windows Phone」などのモバイルOSと同様、失敗に終わってしまった。
「複数のOSとアプリエコシステムがすでに確立している状況だったため、われわれは巻き返しを図っていた」。コネクテッドデバイス向けコラボレーション担当ディレクターのJohn Bernard氏と、コアコントリビューター参画の責任者George Roter氏は、4日の発表でこう語っている。
Mozillaのコネクテッドデバイス担当シニアバイスプレジデントのAri Jaaksi氏はブログ記事のなかで、Mozillaは今後、Firefox OSではInternet of Things(IoT)に注力すると述べた。IoTは、家庭や企業にある無数のデバイスにコンピューティング技術を広げていくものだ。
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