パナソニックは2月3日、2016年3月期第3四半期の連結決算を発表した。売上高は、前年同期比4%減の1兆9109億円で減収になったものの、営業利益は、収益体質強化や一部成長事業の増販により、同6%増の1198億円で増益となった。税引き前利益は同5%増の904億円、当期純利益は同18%減の489億円になる。
第1~第3四半期(2015年4~12月)の累計では、売上高が同1%減の5兆6713億円、営業利益が同10%増の3203億円、税引き前利益が同22%増の2545億円、当期純利益は14%増の1602億円になる。
国内の市況が回復せず、販売減となったソーラー、ハウジングなどを持つエコソリューションズセグメントが減収減益となったが、アプライアンスセグメントでは、日本とアジア地域で白物家電が堅調に推移。テレビ事業も米国、中国市場で製品を絞り込んだため販売減となったが、国内では、4Kテレビでナンバーワンシェアを獲得するなど、プレミアムモデルが増販となり、減収増益となった。
パナソニックの代表取締役専務である河井英明氏は「テレビは、日本市場で高付加価値商品へのシフトが成功した。売上高は台数の絞り込みにより、前年同期比の1486億円から1146億円の減収となったが、営業利益は7億円の黒字を確保できている。テレビ事業の体力は着実についてきている」と現状を説明した。
エコソリューションズ同様、減収減益となったオートモーティブ&インダストリアルシステムズセグメントでは、ICT分野の悪化を受け、エナジー、インダストリアルの両事業が減収減益。河井氏は「ICT向けの需要減が著しい。回復については時間がかかると思う。現状の環境を踏まえながら、2016年度の事業計画を策定していきたい」と慎重な姿勢を見せた。
低迷が続く中国市場については「エアコンが大きく落ち込むなど、販売が伸び並んだ。ただ変動要素が大きいので、伸ばせる事業に投資をしていく」とコメントした。
パナソニックでは今回の業績を受け、2016年3月期通期の業績見通しを、売上高で7兆5500億円(当初公表は8兆円)、営業利益は4100億円(同4300億円)、税引き前利益は2800億円(同3000億円)と下方修正を発表。当期純利益については1800億円の当初計画を据え置いている。
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