ヤフーは2月2日、2016年3月期第3四半期の連結決算を発表。4~12月累計の売上高は4452億9800万円(前年同期比43.3%増)、営業利益は1950億8300万円(同34.7%増)、純利益は1535億3100万円(同53.4%増)で増収増益、過去最高益を達成。10~12月期では、販売促進活動などの費用がかさみ増収減益だった。
ディスプレイ広告の売り上げが増加したことに加えて、2015年8月下旬にアスクルを、前年度にワイジェイカードなどを連結子会社にしたことが売上高を押し上げた。また、アスクルの企業結合にともなう再測定益が計上されたことにより、大幅な増益となった。
「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」、「アスクル」、「LOHACO」などのECサービスが好調で、第3四半期の国内流通総額が初めて1兆円を超えた。また、Yahoo!ショッピングとLOHACOが含まれるショッピング事業の10~12月期の取扱高が、前年同期比で48.3%増と大きく伸びた。
10~12月期の売上高は、前年同期比82.6%増となる1964億円。マーケティングソリューション事業が683億円、アスクルの売上高を含むコンシューマ事業が1153億円、その他の事業が161億円(調整額を含む)で構成される。
ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏は、「ヤフーは4月に20周年を迎えるが、これまで売上面では“広告が主力の会社”だと捉えられてきた。今回初めて、広告よりもECの売り上げが大きくなっている。加えて、ワイジェイカードを中心とした決済・金融事業も伸びている。利益面ではまだまだだが、今後、“広告だけの会社”から、“広告、EC、決済でバランスよく強い会社”になるために“脱皮”をしていく」と意気込みを語った。
ヤフーが先行投資事業に位置づけるクレジットカード事業は有効会員数が180万人に達した。会員は、特にYahoo!ショッピングなどでカードを利用しているとし、宮坂氏は「理想的なシナリオで動いている」と説明した。
広告関連事業では、ディスプレイ広告の売り上げが好調な反面、検索連動型広告の売り上げが引き続き減少した。
第4四半期も引き続き、ショッピング事業やクレジットカード事業、スマートフォン向けアプリの販売促進活動などを積極的に展開する。ヤフーは通期の業績予想として、販売促進活動などに関連する費用が大きく増加するものの、既存事業の拡大やアスクルの連結子会社化により、売上高と営業利益は前期を上回ると見込んでいる。
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