ワークスモバイルジャパンは1月20日、モバイル環境に最適化したグループウェア「Works Mobile」の正式サービスを開始した。
Works Mobileでは、PCとメールがベースとなっていたITツールやビジネスシーンをさらに一歩進め、モバイルデバイスとメッセンジャーをベースとしたグループウェアとなっている。また兄弟会社であるLINEとの提携により、LINEを踏襲したUI(ユーザーインターフェース)を活用し、ビジネス向けスタンプの利用が可能となっている。
これによりスマートフォンなどのモバイル端末かつ、使い慣れたメッセンジャーといったツールで、導入時の手間や教育はほぼ不要で社内で展開が可能。スタンプを活用することで気持ちが伝わりやすく、コミュニケーションをとりやすいという。
利用プランは3つで、1ユーザーごとの月額制になる。ライトプランでは1ユーザー月額300円から利用可能となっている。
同社は正式サービス開始にあたり記者発表会を開催。そのなかで、ワークスモバイルジャパン 代表取締役社長の松橋博人氏は、Works Mobileのサービス展開の背景に、ビジネスコミュニケーションにおける変化があるとした。
昨今ではLINEやLINEスタンプに代表されるような、速さと見た目を重視したカジュアルなコミュニケーションスタイルが普及していること。また利用ツールについても、機器はPCからモバイル、メールからソーシャルメディアの利用時間が増加し、仕事でプライベート用のメッセンジャーを利用しているユーザーも多いという。これらに加え職場環境も変化し、正社員以外の労働者が多く就業しているケースも目立っているという。そういった環境で、例えばアルバイトで雇用した労働者にPC環境を用意したり、グループウェアの使い方などの教育に時間をかけるのはコスト的な負担が大きいとしている。
こうした環境の変化にあわせて、現在のビジネスコミュニケーションにあわせたツールがWorks Mobileと位置づけている。
特徴としているのは、PCとモバイルでも同じ機能が活用できること。メッセンジャーを機能の中核とし、無料音声通話、無料ビデオ通話、アドレス帳(組織対応型)、メール、カレンダー、掲示板、ファイル共有などの機能を利用でき、統合アプリでシームレスに連携ができる。また広く普及しているLINEのUIを使うことで、使い方説明や教育といった手間を省くことができる。
企業向けサービスとして気になるセキュリティ面でも、セキュリティ管理をはじめ、監査・モニタリング、アーカイブ機能といった管理機能を備えている。個々に機能制限や、機密事項にあたるデータのダウンロード制限、登録したデバイスの遠隔消去にも対応している。利用できる機能については料金プランによるところもあるが、SLA(サービス品質保証制度)はどの料金プランでも保証している。サービス運用については、日本国内のデータセンターから全サービスを提供。日本市場にあわせたサービス展開を行っていくほか、APIを用意し、パートナー企業によるほかのシステムとの連携も図っていくという。
松橋氏は導入のメリットとして、例えばメールによる指示を待って、待機時間が増えてしまうような問題を、スマートフォンから確認することで解消し、迅速に指示を出し効率よく業務が進行していくことを挙げた。そしてもう1つは、感情や温かみのあるコミュニケーションがとれること。ことビジネスシーンではテキストが主体となっており文面にこだわる風潮があるものの「ビジネスシーンであっても、気持ちや思いが伝わりやすいツールを活用して、円滑にコミュニケーションを取れた方がいい」というのが松橋氏の考えだ。
すでにいくつかの企業に試験運用をし、正式サービス版での導入を決めている企業もあることに手応えを感じているという。また、よりきめ細やかなサービス提供のため認定パートナーとして、複数社の販売代理店と契約して展開する。そして日本でのデファクトリーダーとなり、アジアへの展開を図っていく考えを示した。
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