IDCとGartnerによると、タブレットやスマートフォンを選択する消費者が増加するのに伴い、世界のPC出荷台数は2015年第4四半期も引き続き減少したという。PCに対する消費者の関心は非常に低く、IDCによると、2015年の出荷台数は2008年以降最低だったという。
携帯端末の方がソーシャルサイトに動画や写真を簡単に投稿するできることに加えて、タッチスクリーンや取り外し可能なキーボードといったさまざまなハードウェアオプションが、消費者のPC購入を躊躇させる要因となっている。インターネットに接続されたウォッチやヘルストラッカーなどのウェアラブル端末も、クリスマスシーズンの購入品として消費者の人気を集めた。
Gartnerの主席アナリストを務める北川美佳子氏は声明で、「ノートPCは、クリスマスに欲しいもののリストには入っていなかった」と述べた。「消費者の関心は、テレビやウェアラブルといった他の電子機器に移っていた」(北川氏)
Gartnerは米国時間1月12日に発行したレポートで、第4四半期の世界PC出荷台数が前年同期比8.3%減の7570万台だったと推測する。一方のIDCは、同四半期のPC出荷台数が10.6%減の7190万台だったと報告している。
全般的に低調だった中で、Appleは販売数を増やし、世界PC市場におけるシェアを同四半期で7.9%、年間では7.5%にまで増加させたとIDCは述べている。IDCによると、Appleの第4四半期PC出荷台数は、3%近く増加して570万台だったという。
Appleの「MacBook」と「iMac」が成功を収めたことは、「高額であってもユーザーエクスペリエンスを重視する革新的なシステムに対しては、まだ高い需要がある」ことを示しているとIDCの調査マネージャーを務めるJay Chou氏はプレスリリースで述べた。
米国のトップPCメーカーがHPとDellであることに変わりはないが、IDCとGartnerのレポートからは、2004年にIBMのコンピュータ事業を買収した中国メーカーのLenovoも、米国でのシェアを大きく伸ばしていることが分かる。世界では既にトップのPCメーカーであるレノボは、Gartnerによると、米国における第4四半期出荷台数を前年同期比21%増の210万台にまで大きく増加させている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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