検索エンジンは私たちが何気なく検索したキーワードに対して答えを返しているが、それが可能なのは検索エンジンがその国の言語を理解しているからこそ。
世界中の言語の中でも「ベトナム語」は特に複雑な文字を操るのだが、そんなベトナムで「Google Chrome」に対抗する地場のブラウザ検索エンジンがある。「CocCoc」だ。
一見、同じに見えてしまう「a」という文字も、ベトナムでは「ả」「ặ」「à」と使い分けられており、検索エンジンはそれらに対応する必要がある。それができないと、まったく見当違いな検索結果が導き出されてしまうのだが、CocCocは発音や文字が複雑なベトナム語に完全に特化しており、国内で人気を博している。
検索の仕方は、Googleなど他の検索エンジンと同様で、検索窓に知りたいキーワードを入力するだけ。CocCocがベトナム人のユーザーから評価を得ている特徴としては、(1)「文字入力予測変換機能」、(2)「ダウンローダー機能」、(3)「入力スペルチェック機能」が挙げられる。
文字入力予測変換機能は、ベトナム語の複雑な文字の入力の手間を省くために設けられている機能。ユーザーの文字入力作業の手間を大いに省いている。
ベトナム語には多くの発音記号が存在しているが、アルファベット入力だけでその発音記号を補完できるようになっている。入力変換の精度はその他ソフトと比較すると20~50%のキータッチの省略を可能にしている。
ダウンローダー機能は、ダウンロードファイルを最大8分割してダウンロードできる機能。実際にベトナムで2時間の動画をダウンロードした際、かかった時間はたったの7分間。動画を分割し、分割したファイルを同時にダウンロードするため、時間がかなり短縮されている。同じ長さの動画をGoogle Chromeでダウンロードしてみると、ダウンロードにかかる時間が2時間と表示されてしまった。
ネット回線が細いベトナムならではの重宝される機能。検索エンジンの開発段階でベトナム人のネットユーザーの多くが動画や音楽をダウンロードする際に、その速度を重視することを知り、実装することを決めたとCocCocの日本人スタッフである小比賀氏は話す。
入力スペルチェック機能は、打ち間違いをした際や、特殊文字に変換できる文字を指摘してくれる機能。入力した文字をダブルクリックするだけで英越辞書がでてくる機能もある。
また、PCのキーボードで文字をアルファベット入力し、ベトナム語に変換するには数回の変換操作が必要になるが、CocCocでは入力されたアルファベットから予測されるベトナム語へと変換される。「â」のような特殊文字に変換する手間を省くことで、きちんとした文章をより速く作成することができる。
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