カドカワと代々木ゼミナールは1月12日、カドカワが4月に開校を予定している単位制・通信制高等学校「N高等学校」の提携通学コースとして、大学進学を目指す生徒を対象にした「代ゼミNスクール」を同月に開校すると発表した。生徒ごとに作成した受験対策カリキュラムに沿って、代々木ゼミナールの講師陣が指導をするという。
生徒は、N高等学校のカリキュラムである高校卒業資格取得のための授業やレポート提出をインターネットを通じて実施することで受験勉強時間を増やし、大学進学に特化した代々木ゼミナールの講座を専用の学習施設(渋谷区・代々木)に通って受講できる。通学日数は週1~6日で設定可能で、授業は映像授業と対面授業から選べる。講座数は2000以上あり、自身のレベルや目的に応じて受講できる。
受講費用はN高等学校とは別に支払う。出願料が1万円、入学金が5万円。授業料は週の通学日数に応じて27万円から95万円。
求める生徒について、SAPIX YOZEMI GROUPの共同代表である高宮敏郎氏は、「医学部や難関大学を目指す生徒はもちろん、希望する進路は定まっていないが大学進学に関心がある生徒にも入学していただき、一緒に大学合格を目指せれば」と説明。
カドカワとの連携に関しては、「教育の中でいかにIT技術を使っていくかが1つのキーワード。優れた企業と一体となって、ハイブリッドな教育サービスを提供していくことがこれからは大事ではないか」と語った。
カドカワの代表取締役社長である川上量生氏は、「N高等学校に通わずに、代々木ゼミナールに3年間通学し、高卒認定試験を受けて大学に進学にすればよいのでは」との報道陣の疑問に対し、「単に大学合格を目指すのであれば、N高等学校は不要ではないかといった議論は当然出てくる」とした上で、「N高等学校では、プログラミングを1年間学ぶと、そのまま就職先としてIT企業を紹介するコースなども用意している。これは『高卒認定は本当に必要なのか』といった社会への問いかけになると思う。そういったように、既存の制度の矛盾点などを、N高等学校の試みを通じて積極的に問題提起していこうと思っている。それがN高等学校の目的の1つでもある」と説明した。
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